[静岡市]溶融スラグによる農業用肥料が本登録 (2022/10/1 株式会社ぎょうせい)
静岡市(69万4300人)は、資源循環型社会の構築へ向け、西ケ谷清掃工場でのごみ処理過程で生成した溶融スラグ(焼却灰を溶融して生成した安全なガラス状の固化物)を建築資材などとして有効に活用し、最終処分場の延命化につなげている。その一環として、西ケ谷清掃工場で生成された溶融スラグが農業用の肥料として本登録された。
溶融スラグの肥料化は、産学官連携により12年度から研究を推進。17年に農業用肥料として仮登録され、19年にJA経済連を通じて「SKケイカル」の商品名で販売を開始した。その後、生産農家の利用実態調査と農林水産省や農林水産消費安全技術センターとの協議を踏まえ、肥料の品質の確保等に関する法律第7条の規定に基づいて本登録されたもの。
SKケイカルの保証成分量は、可溶性ケイ酸25%、アルカリ分30%、く溶性苦土1%で、稲作では茎が太く丈夫になって収穫量増加につながる効果が確認され、また、ケイ酸成分を必要とするワサビやマコモダケ等への効果が認められている。農業用肥料としての本登録は全国初で、市は静岡市発の一般廃棄物の肥料化の流れが全国へ拡大し、循環型社会の形成に貢献することを期待している。
(月刊「ガバナンス」2022年8月号・DATA BANK2022)
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