3K批判される日本共産党 公安の見解は「調査対象で暴力革命を否定しない」 株式会社フィスコ 2017年6月26日
東京都都議会議員選挙の6月23日の公示とともに、各政党による選挙キャンぺーンが始まった。この前後に、公明党は激しい共産党批判を繰り広げており、ネットで話題になっている。特に注目を集めたのは、公安調査庁による見解である、日本共産党が「調査対象であり暴力革命を否定しない」との引用部分だ。
公明党広報の公式ツイッターは21日、「3つのKでわかる共産党ってどんな党?」と可愛らしいイラスト付きで解説。「汚い:実績横取りのハイエナ政党、危険:オウムと同じ公安の調査対象、北朝鮮:『危険ない』と的外れな発言」とそれぞれの頭文字をとって3Kで表現した。
さらに、公安調査庁がホームページで示す見解を引用して「共産党は各地で殺人事件や騒乱事件などを引き起こしました」「暴力革命の可能性を否定することなく、現在に至っています」と付け加えた。
この辛辣な批判に対して、小池晃・共産党書記長は約2時間後に「こういうのを『怪文書』というのではないでしょうか。恥ずかしくないのかしらね。」とツイート。
さらに、公式広報ツイッター@カクサン部長で「3Kでわかる共産党(公式版)」と題した、同じような親しみやすいキャラクターを使って党を宣伝し、応戦した。共産党による3Kは「キレイ:ひもつき献金いっさい受け取らず」「キレキレ:政策論戦で堂々勝負」「クナンケイゲン:国民の苦難軽減が党をつくった原点」だという。
公安の見解「共産党の暴力革命」とは
共産党と公明党は理念の違いから、これまでもしばしば、党広報紙などでは批判合戦が起こっていた。それが、このたびツイッターという主流SNSの利用した方法に代わり、より人々の目に留まりやすくなった。
公明党に対して、「支持母体である統一教会と政教分離の原則に違反」といった、日本共産党のほか有権者からの指摘もあるため、主張はすんなり受け入れ難いところはある。
しかし、引用した公安の「共産党の暴力革命の可能性」については、日本当局の見解であり、ここでいうところの「暴力革命」について、SNSを活用する若年層には、あまり認知されていない問題かもしれない。
日本の公安が「暴力革命」を危険と見なした、共産主義はどのような性質なのか?
歴史の話になり恐縮だが、大きくは、共産主義の潮流は19世紀半ば、カール・マルクスによる「共産党宣言」から始まる。同書は次のような一文で始まる。「一つの幽霊、共産主義の幽霊がヨーロッパで漂っている」。
この「幽霊」について、極左思考に幻想を抱いた当時の人々は、闘争心を植え付け、破壊や暴力を持たらす「魔物」だとは、気づかなかったのかもしれない。
当局による粛清、人や土地の強制収奪、人為的な飢餓、特定の信仰者や民族の虐殺など、わずか100年ほどの歴史で、共産主義は甚大な数の不自然死をもたらした。フランスの歴史研究家ステファヌ・クールトア氏の著書『共産主義黒書』や、米国の歴史学者RJ・ランメル氏の著書『政府による死』は、共産主義主義体制下での犠牲者について、1億人と見積もった。
日本共産党は、ソ連や中国共産党に見られるような政権政党についたことはないが、「共産党」を標榜して打ち出している理念から、共産主義の原則を堅持していることはうかがえる。
公安が、「暴力革命の可能性を否定していない」として共産主義を掲げる政党を調査対象としているのには、共産主義の暴力性が、すでに充分に証明されているからといえる。
共産党の原点にある共産主義について、大紀元は、社説・中国共産党に関する九つの評論や特集・共産主義の終焉で、その非人道的で破壊的な性質について解き明かし続ける。
(文・佐渡道世)
【ニュース提供・大紀元】
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