北朝鮮で拘束された米国人学生、帰国後に死亡 トランプ氏「残忍な政権」と非難 株式会社フィスコ 2017年6月20日
北朝鮮で1年半拘束されて、最近、昏睡状態で解放され米国に帰国した米国人大学生オットー・ワームビア(22)さんが19日、オハイオ州の病院で死亡した。トランプ大統領は、北朝鮮に「残忍な政権だ」と強く批判した。
ワームビアさんの訃報を受けて、トランプ大統領は現地時間19日、ホワイトハウスで開かれた企業代表団との会議のなかで「多くの悪いことが起きた。唯一、彼は(北朝鮮から)両親とともに帰宅することができた」と話した。「残忍な政権だ。私たちは対応していかなければ」と付け加えた。
同日、ホワイトハウスは声明で、「オットーさんの死は、無実の人に対する『法や人道に反する行為』をやめさせる決意を強くした。アメリカは、再度この北朝鮮政権の残忍な行為を強く非難する」とした。
レックス・ティラーソン国務長官は20日、今後、米国はワームビアさんの「不当な懲役」に対して北朝鮮に責任問題を追及し、改めて北朝鮮で拘束している他の3人の米国人を解放するよう要求した。
ヴァージニア大学に在籍していたワームビアさんは2016年1月、ツアー旅行で北朝鮮に入国し、平壌の滞在したホテルで政治的スローガンが書かれたポスターを入手しようとしたところ、逮捕された。同年3月には、15年の労働教化刑(懲役刑に相当)を言い渡された。
ワームビアさんが参加したツアーを企画した旅行会社「ヨン・パイオニアツアー」は、米国向けの北朝鮮ツアーはもう開催しないことを発表した。イラン、イラク、旧ソビエト連邦共和国へのツアーを提供する同社は、「米国人にとって北朝鮮を訪れるアメリカ人のリスクは高すぎる」と述べた。国務省は北朝鮮への旅行を警告しているが、禁止しているわけではない。
ワームビアさんが入院していたワシントン郊外シンシナティ・メディカル・センターで対応した医療チームは15日、「ワームビア氏が(北朝鮮が説明した)ボツリヌス中毒症にかかったという証拠は何も発見できなかった」と、北朝鮮当局の説明が異なることを明らかにした。医療チームはワームビア氏が「すべての部位にわたる広範囲な脳組織の喪失している」としながら、原因は断定できないと説明していた。
ワームビアさんの家族は、「息子が北朝鮮で受けた恐ろしい過酷な虐待」により「今日経験したような結末になることは当然だった」と述べた。
(編集・佐渡道世)
【ニュース提供・大紀元】
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