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NYの視点:今週の注目:トランプ米大統領初の外遊、FOMC議事録、OPEC総会  株式会社フィスコ 2017年5月22日

短期投機家・投資家の円の売り持ち高は年初来最低の水準から増加した。市場の円売りが再び増加したことで、円の下落余地は狭まる。

今週はG7(先進7か国)首脳会談、石油輸出国機構(OPEC)会合、FOMC議事録に注目が集まる。また、トランプ大統領を巡るロシア疑惑の波及懸念がくすぶりヘッドラインリスクが存続する中、トランプ政権は新たな予算案を提示し、その中で今後10年間で2000億ドルのインフラ支出を提案する見通し。相場にとりプラス材料となる。

石油輸出国機構(OPEC)会合では加盟国、非加盟国が市場の思惑通り協調減産で9か月延長で合意するかどうかに注目される。また、トランプ大統領はイタリアで25日に開催されるG7(先進7か国)首脳会談出席に向けて就任後初の外遊にでる。米大統領は来週イスラエルとパレスチナを訪問し、停滞する中東和平交渉の仲介に乗り出す。サウジアラビア訪問後、22、23日にイスラエルでネタニヤフ首相、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ベツレヘムで自治政府のアッバス議長とそれぞれ会談する予定。

ロシアへの機密漏えい問題で、機密の情報源はイスラエルと言われている。イスラエルの駐米大使は「イスラエルは依然米国を信頼している」と声明を発表。ネタニヤフ首相との会談では、背景の説明などが必要になる。また、欧州諸国からは、ロシアに情報を流す米国との機密の共有を今後控えたいとの意見も見られ、G7ではテロ対策などで欧州諸国との協調にこぎつけることが課題となる。

政治的混乱にも関わらず米国の経済は、順調な回復を継続している。連邦公開市場委員会(FOMC)が6月の会合で利上げに踏み切る軌道に変更はないと見られている。米連邦準備制度理事会(FRB)は5月に開催されたFOMCの議事録を公表する。5月の会合では3月の利上げ後、市場の予想通り利上げを見送った。同時に、声明では、インフレ判断を引き上げるなど、6月の利上げを示唆。議事録では、6月の利上げの可能性や年内のバランスシート縮小開始の可能性を更に確認していく。ブラード・セントルイス連銀総裁は、年3回とするFOMCの金利見通しが「積極的過ぎる可能性がある」と指摘。3月以降の経済が弱いとの見解を示しながら、バランスシートの縮小を開始する時期に来たとの見通しを示した。

米商務省が発表する1−3月期国内総生産(GDP)改定値も予想前期比年率+0.9%と速報値+0.7%から上方修正される見通し。金融危機以降、1−3月期経済はその年で最低の伸びに留まる傾向があるが、4−6月期には4%近くに伸びが拡大すると見られておりドルの下値を支えると見る。

■今週の主な注目イベント

●23日:OPEC総会
25日:G7サミット

●米国
22日:ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁講演、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、ブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)理事講演、、エバンス・シカゴ連銀総裁
23日:米国政府、予算を公表、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁講演、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁講演、
24日:FOMC議事録公表、カプラン米ダラス連銀総裁講演、
25日:ブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)理事講演、ブラード・セントルイス連銀総裁講演、
26日:1−3月期国内総生産(GDP)改定値:予想前期比年率+0.9%(速報値+0.7%)

●地政学的リスク
20日:イラン大統領選挙

ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン
トルコ

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