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NYの視点:VIX指数2006年12月来で最低、危機感も浮上 株式会社フィスコ 2017年5月9日
株式投資家の恐怖心理の度合いを示す指数、シカゴVIX指数は10を割り込み1993年来で最低水準で引けた。週末に実施されたフランスの大統領選挙では、欧州連合(EU)、ユーロを支持する中立派のマクロン氏が勝利し、市場の予想通りの結果でサプライズがなかったことが指数を一段と引き下げた。
フランス大統領選挙が終了したが6月に英国の総選挙が控えているほか、英国とEUの離脱交渉が開始する。また、9月にはドイツの総選挙も予定されており、欧州の政治的リスクは存続。また、北朝鮮、シリアといった地政学的リスクが高止まりする中でも、投資家の危機感は低下しつつある。
米国の確定申告が4月中旬に締め切られたのち、その還付金が流入するため5月株式相場はその年の高値をつける傾向にある。このため、市場では「5月に株を売って逃げろ」と推奨される。FRBのケビン・ウォルシュ元理事は8日にNYで開催されたソーン・インベストメント・カンファレンスで、株式相場が急伸、経済が依然順調に成長を継続することに伴う群集心理に注目。経済全般、インフレ、成長に関しての見解が均一化していることに警鐘を鳴らした。「同じような状況が生じたのは10年前だ」と危機感を強め始めたことを明らかにした。VIX指数も2006年12月以降10年半ぶりの水準まで低下している。このあと2008年の金融危機につながったことを考慮し、一部の投資家は警戒感を強めている。
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