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黒田日銀による3年間の金融政策、マイナス金利は「混乱と逆効果」  株式会社フィスコ 2016年12月1日

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11月29日、早稲田大学にて興味深いイベントが開催された。これは同大学イノベーション・ファイナンス国際研究所(所長・樋原伸彦早稲田大学准教授)の主催によるもので、金融政策や通貨理論の第一人者として知られる岩村充早稲田大学ビジネススクール教授と、BNPパリバ証券経済調査本部長チーフエコノミストの河野龍太郎氏が講師として登壇。黒田日銀のこの3年間の金融政策について、それぞれの持論を披露した。

岩村教授は「BEIで見る黒田日銀の3年半」と題して講演。日米の、BEI(ブレーク・イーブン・インフレ率~市場が推測する期待インフレ率のことで、長い時系列で安定したデータ採取が可能、かつ国際比較ができる)でみる期待インフレ率の推移をベースに、黒田総裁が舵を取ったこの3年の金融政策を検証した。

2%のインフレ率実現を目指し、2度にわたって実施された異次元緩和には「確かに一定の効果があったようだ」としながらも、その後に導入されたマイナス金利は「混乱と逆効果を作りだした」ようであり、「インフレ期待は逆に後退」してしまったと指摘。それが日銀の「不手際」によるものだったか、成長ポテンシャルの衰えという「宿命」によるものなのか、見極めていく必要があると語った。

一方河野氏は「2%インフレの早期達成に失敗した真の理由」というテーマで講演。黒田日銀の金融政策は、円安誘導によってバブルを醸成し、インフレを起こす戦略だったと思われるが「実質円レートが30%低下したにも関わらず、輸出数量が全く改善せず、逆に円安による実質購買力の抑制で消費が低迷した」と指摘。実質的には家計から輸出セクターへの所得の移行が起こったことになり、景気抑制につながってしまったと語った。

さらに「起死回生のマイナス金利政策も裏目に」出てわずか8ヶ月で方針転換を余儀なくされたことや、トレンド成長率の低下とともに「改めて根強いゼロインフレ予想が確認された」ことを指摘した上で、「日銀は副作用の大きい2%インフレの早期の達成に拘らなくなった。追加緩和余地も将来ネガティブショックが訪れた際に備えて温存。イールドカーブ・コントロールの導入という大きな帆を立てて、追い風が訪れるのを待つ戦略に変更」したとの分析を披露。足元のトランプノミクスはまさにその追い風とも見えるが、強くなりすぎると帆を支えるマストに軋みをもたらすことになるのでは、との危惧を伝えた。

両氏は講演後に対談も実施。参加者の質問に答える形で、今後の為替市場や株式市場の見通しなどについて、フランクな意見が発せられた。

早稲田大学イノベーション・ファイナンス国際研究所では、こうしたイベントを今後も継続的に開催するとのこと。次回は1月27日(金)に、岩村教授を中心に、ゲスト講師1名を迎えて早稲田大学で開催予定だという。

今後の予定については早稲田大学イノベーション・ファイナンス国際研究所のウェブサイトに掲載される。

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