特集「参議院議員選挙2013」
2013参院選の展望と相場予測(1) ~自民、公明政権与党の大勝でねじれ国会は解消へ~ (2013/7/3 株式会社フィスコ)
今回の参議院議員選挙は、発足から約半年の間に打ち出した経済政策(アベノミクス)を背景に支持率を維持する第2次安倍政権にとって初めての国政選挙です。結果次第では景気回復基調に弾みがつくとの予想もあり、今回の選挙と市場動向は切り離せない関係にあります。ここでは、投資支援サービスや情報を提供する株式会社フィスコによる参院選の展望と、相場予想分析をお届けします。
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自民、公明政権与党の勝利は確定的 維新の会は失速で自民の補完勢力になり得ず
日本経済新聞社とテレビ東京が6月21、23日に実施した世論調査で、安倍内閣の支持率は66%だった。2012年12月に発足した安倍内閣の政権運営を「評価する」との回答は66%に達した。また、NHKが6月21~23日に全国の20歳以上の男女を対象にした世論調査(調査対象となったのは4,746人、そのうち65%の3,060人が回答)によると、安倍内閣を「支持する」と答えた人は61%、「支持しない」と答えた人は23%だった。
最近行われた安倍内閣の支持率は60%を維持していることから、参議院選挙では自民、公明政権与党大勝の可能性が高いとみられる。一時期までは、自民党は日本維新の会と参議院選挙後に連携することで意見交換を行っていた。しかしながら、日本維新の会の橋下徹共同代表による旧日本軍の慰安婦や、風俗業をめぐる発言が厳しく批判されたことで日本維新の会の影響力は急低下した。
6月23日に行われた東京都議会選挙では、橋下共同代表と石原慎太郎共同代表の溝も表面化したことで日本維新の会は告示前の3議席から2議席に減った。みんなの党の渡辺喜美代表は5月20日時点で、参議院選挙での日本維新の会との協力関係を解消すると表明している。「自民・公明・維新・みんな」が参院選挙後に与党大連合を組み、改憲実現に向けて突き進んでいく可能性は、ほぼ消滅したものとみられる。
参議院選挙での重要ナンバーは「122」と「162」
今回の参議院選挙で非改選となる議席数は、自民49、民主42、みんな10、公明9、維新1。この非改選議席と今回の獲得議席を合わせた合計議席数が問題となる。
最新の世論調査の結果を踏まえての予測となるが、今回の参議院選挙では「自・公」で64議席を獲得できれば、非改選の58議席との合計が122議席となり過半数を超える。いわゆる衆議院と参議院で比較第一党が異なる「ねじれ国会」が解消されることとなる。
「自民・維新の会・みんな」が合計102議席を獲得した場合、非改選の60議席との合計で162議席となる参議院の定員の3分の2に到達し、公明党不在でも憲法改正の発議が可能となるが、みんなの党と日本維新の会が改憲実現の一点だけで共闘することはないとみられる。「自民・維新の会」だけで162議席に達することはなく、改憲は難しくなる。