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【海外】在日米軍だけ処分が甘い? 性犯罪の3分の2が不起訴とAP報道  NewSphere(ニュースフィア) 2014年2月12日

 防衛省の内部文書によると、2005~2013年前半に在日米軍基地で性犯罪を起こした244人の軍人の3分の2が不起訴。罰金、降格、外出禁止、軍除外の処分だったことがわかった。約30例では戒告状のみだったという。

 同文書は、AP通信が情報公開法を使い入手した。YURI KAGEYAMA記者と、RICHARD LARDNER記者が報じた。この調査報道を、USAトゥデイ、英ガーディアン紙、ロシア・トゥデイなど各国の大手メディアが続々と転載している。一方、日本の大手メディアで本件はまだ報道されていない(10日19時現在)。

日本で起きた強姦事件、矛盾する2つの判決

 文書には、第1海兵隊航空団の矛盾する2つの事例が示されていたという。両事例とも、原告(米兵)が夜、大量に飲酒した後、強姦されたと証言しており、DNA鑑定という動かぬ証拠もあった。だが、1例は懲役6年の判決、もう1例は降格と30日間の外出禁止処分で収監されなかったのだという。

アメリカでは軍法会議の件数が着実に増加。ただし日本は別

 なおアメリカ国防総省のデータによると、軍法会議にかけられた性犯罪の件数は、2009年は42%、2012年は68%と増えており、2012年に判決を受けた238人の軍人のうち74%が服役しているという。

 ただ、この傾向は日本の場合には反映されていないとAP通信は指摘。海軍と海兵隊による478件の性犯罪のうち、軍法会議にかけられたのは116件(約24%)。2012年に海軍による性犯罪が軍法会議にかけられたのは1件で、13件は不起訴だったという。

 被害者が調査に協力しないケースが増加していることも報告されている。アメリカ海軍犯罪調査局によると、2006年に13件、2012年に28件あった。

 AP通信は、こうした状況を「無秩序」と厳しく評している。

海外の反応

 APのサイトの元記事は、1000回以上シェアされており、海外での反響の大きさが伺える。

 また各記事には読者から多くのコメントが寄せられている。ガーディアン紙には、

・(記事中の被害者が日本人ではないことに対し)米軍にとっては、外国人がレイプされてるのは重大じゃないって思える・・・
・これが米軍関係者が日本人にレイプされたって記事なら全然話が違うだろうな
・教会内部の性的暴行事件に近い構造といえる

など、多様な厳しい意見が挙がっている。

日本の犯罪について、過去から指摘も

 これまで、日本人が被害者となった事件、背景にある日米地位協定については、日本のメディアが度々報じてきた。

 例えば東京新聞は、沖縄に次いで米兵らの犯罪が多い神奈川県で、2008年から5年間で、「一般刑法犯として起訴された米軍人・軍属とその家族は送検されたうち一割に満たない」と報じていた。

 また琉球新報は、「在沖海兵隊基地では2010年10月以降の1年間の性的暴行事件が67件に上り、発生率が米国内の基地の2倍の高さである」ことを、米海軍省と海兵隊本部の報告書をもとに報じていた。

 今回のAPの調査報道を、日本のメディアはどうとらえ、報じるのか。今後が注目される。

提供:NewSphere(ニュースフィア)