【社会】任天堂、スマホ本格参入せず 一部海外投資家からは賛同の声 NewSphere(ニュースフィア) 2014年1月31日
任天堂は29日、最大1000万株(発行済株式の約7.8%)の自己株の買い戻しを発表した。取得価格総額は最大1250億円。昨年9月に死去した山内溥前社長の遺族が相続税対策で株を手放すことに伴うものだという。
岩田聡社長は、円安の中で営業損失を出した責任として、2月から6月まで社長報酬を50%カットすることを表明。他の役員についても約30%引き下げる。
同社長は翌日の経営方針説明会で、スマート端末を活用し、キャラクタービジネスを拡大する方針を明らかにした。ただ、ハードとソフトを一体でつくっている同社として、独自の立場が必要との見解を示した。
時代の流れに乗り、ようやくスマート端末も視野に
今回の自己株買い戻しは、同社の主力商品である据え置き型ゲーム機「Wii U」の不振によるものだ。
岩田社長はこれまでWiiやDSをヒットさせ、同社の収益を3倍にしてきた。
しかしカジュアルゲーマーはスマホやタブレット向けゲームへ、コアゲーマーはソニー「PS4」や米マイクロソフト「Xbox one」へ移行している。そのため、投資家らは「スーパーマリオ」「ポケットモンスター」「ゼルダの伝説」などの人気ゲームをモバイル機器で発売するよう求めてきた。
ブルームバーグは、「任天堂は価値あるコンテンツを持っており、スマホゲームを出すのはよい選択肢だ」という、ミョウジョウ・アセット・マネジメントの菊池真CEOのコメントを掲載した。ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、「任天堂のコンテンツをモバイルアプリで発売すれば、同社の株価は2倍もしくは3倍になる」と言う投資家がいる一方、「事業モデルの基本理念を変えることは求めない」と考えるベテラン投資家もいると指摘した。
世界ユーザーの趣向の多様化にも直面、「バランスがすべて」
同社は昨年9月、「Wii U」をアメリカ市場で50ドル値下げし、299.99ドルに改定した。ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、西洋と東洋のゲーム嗜好の違いで、現地パートナーとの連携が不可欠となっていると指摘している。
岩田社長は、歴史的にアメリカ市場は売上の40~50%を占めているとし、開発段階でアメリカチームとより緊密に連携する必要があるとの見解を示した。また、最も日本的なゲームの一つである、3DS専用ソフト「どうぶつの森」は海外で人気だと指摘。今後、「トモダチコレクション」の海外での販売を検討中で、同社長は「バランスがすべて」だと語っている。
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