【原発】小泉元首相の「子分」安倍首相はどうする? 「原発ゼロ」発言への対応に米紙が注目 NewSphere(ニュースフィア) 2013年10月18日
小泉純一郎元首相は16日、千葉県で講演し、「日本は原発ゼロで十分に経済成長できる」との考えを示した。そのうえで、「原発ゼロの方針を政府・自民党が打ち出せば、循環型社会をつくる夢に向かって国民は結束できる」と述べ、安倍首相の「原発再稼働」路線を批判した。
小泉氏は1日にも原発ゼロを支持する発言をして注目されていた。
これに対し、甘利経済再生担当相は「ピュアで短絡的な部分もある方」と批判。菅官房長官は「我が国は言論の自由がある」として一蹴していた。なお安倍首相はコメントを控えている。
海外各紙は、いまだ人気の高い元首相の驚くべき大胆な発言だとして注目した。
方向転換の理由
2006年まで5年間首相を務めた小泉氏は当時、「安くてクリーンなエネルギー」として原発を推進していた。
これを転換した理由として、同氏は、今年8月にフィンランドの核のゴミの最終処分場を視察したことを挙げた。さらに、日本で核廃棄物最終処分場は稼働し得ないとし、処分する当てもないのに原発を進めるのは無責任との考えを述べた。
先日、安倍首相が「汚染水の影響はコントロールできている」と世界に発信したことも背景にあるとみられる。
海外紙は小泉氏に賛同
ニューヨーク・タイムズ紙は、日本は小泉氏の介入を歓迎し、福島事故以来2年半なされていない、原発の将来について健全な議論を始めるべきと指摘した。同紙は、小泉元首相の「子分」である安倍首相はどう対応するのかと注目している。
また同紙は、多くの国民が原発に反対しており、「福島原発はコントロールできていない」と考える国民は76%に及ぶとの世論調査を掲載。今後30年以内に南海トラフで巨大地震が起きる確率は60~70%との推計もあると報じた。
一方ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、日本のメディアは小泉氏が方向転換したという側面に飛躍していると指摘した。
また、「小泉元首相は現在の安倍首相のボスに当たる人物。そういった意味では、日本の現在の政府に対して、原発をやめていく圧力になりつつある」という菅元首相のニューヨークでの発言を同紙は掲載した。