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【龍馬プロジェクトリレーコラム/若手政治家が考える「日本の政治のここが問題だ!」】

第17回 議会と事務局と議員へ問題提起! (2013/7/19 不破大仁/龍馬プロジェクト北信越ブロック長)

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「地方から日本を変える」を合言葉に、日本全国の国会議員や地方議員などが超党派で集まった『龍馬プロジェクト』。政治山では、龍馬プロジェクトの思いに賛同した若手議員によるリレーコラムを連載しています。「若手政治家が考える『日本の政治のここが問題だ!』」の第2回は、石川県議会議員で北信越ブロック長の不破大仁氏に、今の「政治」への提言をしていただきました。

◇        ◇        ◇

石川県議会議員 北信越ブロック長 不破大仁

石川県議会議員 北信越ブロック長 不破大仁氏

 日本の政治の問題点として私が感じていることはいくつかありますが、地方議会における問題点を考えてみます。3つの点で問題があると考えています。

 1つ目は、首長と議会が度を越したもたれ合いの関係にある点です。議会は行政の予算執行や条例制定などに対して可否を明らかにし、時には修正を求める立場にあります。よく言われる「チェック機関」というやつです。一方で、多くの地方議員には、地元からの要望や支援者からの相談事など、さまざまな話が舞い込んできます。そして、それらの要望は「少しでも早い実現」を求められることが多く、有権者もそれを「議員の力量」として評価しているのかもしれません。

 そうなると、首長や自治体職員との話し合いの中で、なるべく要望を通してもらえるように日ごろからよい関係を築こうとし、議会での厳しい指摘を避けるようになってきます。必要以上に、点数稼ぎとも受け取れるゴマすり発言をする議員も多々います。時には自らを「市長与党」とか、「知事与党」などと呼んで自慢している場面にも出くわします。「チェックする能力を放棄しています」といっているようなものです。なんでもかんでも反対する必要はありませんが、厳しい指摘をすることは議会の役目です。地域の要望などに応えるために努力もするが、議員としての本分を忘れない議員活動が求められます。

 2つ目は、議会事務局のあり方です。本来、議会提案で条例制定が可能であるにも関わらず、ほとんどそれはなされません。1つには議員の問題意識が低いということもあるかもしれませんが、それと同時に議会事務局職員が少なすぎるのが大きな要因だと言わざるを得ません。「執行部と議会は車の両輪」という表現がよく使われますが、それにしてはあまりにも職員数に差がありすぎるのが現状です。石川県や金沢市でも、数千人レベルの本庁職員に対し、議会事務局は数十人いや十数人のレベルです。これでは情報の収集も条文の作成も、本庁職員にかなうはずがありません。

 また、議会事務局職員自体がもともと本庁職員であり、人事異動でやって来ていずれ戻ります。ですから、本庁職員を困らせるような活動はできません。議会で直接事務局職員を雇い、全国の議会事務局職員間で人事異動するという方式もいいのかもしれません。

 3つ目は、議員そのものの質の問題です。例えば、議会の質問を自分ではまったく作らず、誰か(行政職員?)に作ってもらってそれを読むだけの議員や、4年間まったく質問しない議員、政策に興味がなく、議長争いなどの政局に明け暮れる議員もいます。勉強もしているとは思えません。こんな議会活動を続けている人たちは、何のために議員になったのでしょうか。議員になることが目的なのでしょうか。

 また、必要以上に横柄で偉ぶった態度を取る人や、すぐ腹を立てる人など、ひとりの大人として問題ありと思ってしまう人もいます。私はいつも「決して偉くなったのではない、大切な役目を任されているのだ」と言い聞かせています。これからは、地方議員であっても常に勉強を続け、緊張感ある議会を作っていかねばなりません。

 3つの問題点を挙げましたが、これらを解決していくことが、これからの地方分権時代における地域の自立にとって必要だと思います。しかしながら、一番の問題点は、有権者の無関心かもしれません。選挙の時しか、議員の顔ぶれが入れ替わるチャンスはありません。棄権せずにしっかりと選択することが重要です!

著者プロフィール
不破 大仁(ふわ ひろひと):1976年(昭和51年)1月15日、石川県金沢市生まれ。金沢大学大学院を修了後、民間企業に6年半勤務。サラリーマン生活を送る中で、政治が本来の役割を果たしていないと感じ、時代の変化や実態に即した政治を作らなければと政治の世界に踏み出す。
2007年(平成19年)4月金沢市議会議員に初当選。その後、神谷会長の想いに共感し、龍馬プロジェクトに参加。2010年(平成22年)に行われた金沢市長選挙では、5期を務める現職候補に対し、挑戦した龍馬プロジェクトのメンバーでもある山野之義氏を応援。激戦を経て新市長の誕生を経験し、2011年(平成23年)4月石川県議会議員選挙に挑戦。当選を果たす。
若者たちに政治に興味を持ってもらうため、身近な政治を心がけ活動を行っている。
WEBサイト:フワ大仁 石川県議会議員 公式ホームページ
ブログ:石川県議会議員 不破大仁 オフィシャルブログ「熱意と決意の真剣勝負!」
Facebook:hirohito.fuwa
Twitter:fuwahirohito
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