【龍馬プロジェクトリレーコラム/私はこうして政治家になった】
第6回 「役割」としての政治家を志して (2013/4/26 佐藤丈晴/龍馬プロジェクト全国会政策委員長・東北ブロック長)
「地方から日本を変える」を合言葉に、日本全国の国会議員や地方議員などが超党派で集まった『龍馬プロジェクト』。政治山では本日から、龍馬プロジェクトの思いに賛同した若手議員によるリレーコラムをスタートすることにしました。メンバーが政治家を志した理由や、彼らが考える日本の政治の問題点など、「熱い思い」をお届けします。第6回は元山形県酒田市議会議員で同プロジェクト全国会政策委員長・東北ブロック長の佐藤丈晴氏に、政治家を志したきっかけ、地方議員時代に感じたこと、そしてこれからの思いを綴っていただきました。
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政治家は「職業」なのだろうか? それとも「役割」なのだろうか?
私のそもそもの疑問でもあり、自問自答してきたことである。会社勤務を経て、阪神大震災後、NPO活動に没頭し、さまざまな地域の“つぶやき”をカタチにするべく動いてきた。活動領域がどんどん広がるとともに、さまざまな壁にもぶつかる。その多くが行政の壁。地元市議会の議員に訴えるも、なかなか理解してもらえない。それもそのはず、NPO自体がまだ草創期。十分な理解は議員でなくとも、社会全体としてもまだない時期だった。
NPO活動を理解する市議を誕生させなくては。そんな雰囲気をもろに受け止め、いわゆる“ジバン・カンバン・カバン”のない自分が立候補してしまった。2003年4月の統一地方選で何とか初当選を果たすことができ、NPOが活動しやすく、議会に市民の声が反映される環境づくりを行おうと議会活動をスタートさせた。
政治家は有権者の負託に応え……というのが当たり前に語られることなのだが、議員の中には、その「役割」を誤って解釈している人も決して少なくはなかった。議員は市民とは違う存在と言わんばかりの、いわゆる“先生”もその当時は少なからずいた。私自身は、そういう中におぼれてはいけないと思い、議会活動の合間を縫って、全国に仲間を求めた。全国若手市議会議員の会、ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟、海ごみ対策推進地方議員連盟、龍馬プロジェクト全国会など、機会をつくっては出向いて行き、仲間を増やし、自分の肥やしにしていった。おかげで、北は北海道から南は九州、沖縄まで、キラリと光る仲間が1人ずつ増えていった。中には、首長や国会議員に転身していく人もいて、私自身の活動も幅広くなっていった。
市議10年を迎えようとしているとき国政を目指すこととなり、2012年12月の衆議院議員選挙に出馬し(あえなく落選したが)、市議としての「役割」を終えることになった。約10年間のその「役割」は、果たして有権者の負託に応える活動となっていたのか。その評価は有権者の皆さんに委ねるしかないと思うが、現在、国会議員公設秘書という「役割」を得て、直接・間接的にその経験を生かせる場面が多々あり、これからも経験を積み重ね「役割」を広げていくことが、社会に貢献する政治家への道ではないかと、新たな思いを生みつつある今日このごろである。
数年前、親友の市議がこう言っていた。
「バッジをつけている人だけが政治家ではない。1人ひとりが政治家なのです」
この言葉をかみしめながら、秘書という「役割」で、次代の子供たちのために“良き日本を築いていこう”と決意を新たに、議員会館の窓から首相官邸を眺め、議員と一緒に政策立案に忙しい毎日である。
- 著者プロフィール
- 佐藤丈晴(さとう たけはる):1967年4月22日生まれ、山形大学理学部地球科学科卒、東北公益文科大学大学院公益学研究科修士2年。平成15年4月酒田市議会議員初当選、以降連続3期。平成24年12月第46回衆議院議員選挙山形第3選挙区に出馬するも落選。現在、衆議院議員杉田水脈公設第一秘書
HP:衆議院 山形県3区支部 佐藤たけはる
facebook:satotakeharu
twitter:@takeharusato
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