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地に足の着いた地域政党を支援―サミットへの参加は10政党に (2018/2/7 川崎市議会議員/地域政党あしたのかわさき 重冨達也)

 2018年1月21日、第6回目となる地域政党サミットを神奈川県川崎市で開催致しました。地域政党サミットは地域政党間の情報交換・共同研究の場であり、地域生まれ・地域育ちの政党の活動を盛んにすることを目指しています。そのためには市民にとって常に最も身近な政党であることが重要であり、このような考え方からサミットは市民参加型としています。

「第6回地域政党サミット」会場の様子

「第6回地域政党サミット」会場の様子

基調講演 地域政党サミット顧問・元三重県知事 北川正恭氏

 冒頭は戦後から現在までの政治の成り立ちについて。「効率の良さから中央集権を選択した日本。その後、公害問題などを経て、国と地方が対等な関係で議論すべきだと誰もが気付いたはずだった。それにもかかわらず未だにそのステージに上がろうとしない地方議会こそが、地方による地方のための政治を実現するための足かせになっている」。

 そして今後の地方議会のあり方については「議会が組織としての機能を果たしていくためには、まずは議会が組織として市民と向き合う必要がある。市民の声をもとに議論を行い、執行部の提案でダメなものにはしっかりとダメだといい、その説明責任をしっかりと果さなければいけない」とのこと。結びには、「このような議会改革を成し遂げる推進力となりうるのが地域政党であり、多くの方のご理解とご協力をお願いしたい」とのエールをいただきました。

 現在サミットに参加している政党は10政党となり確実に増加しているものの、各議会ではまだまだ少数派です。しかし北川顧問への地域政党に関する問い合わせは近年増えてきているとのこと。地方議会の閉塞感や執行部の追認機関としての存在に疑問を持つ市民が増えてきていることが背景にあるのかもしれません。地域政党が議会改革を推進する軸となるためには、私たちの存在をより多くの方に知っていただく必要がありますが、なによりも改革への期待に応えられる誠実な政治集団である必要があると強く感じました。

集合写真

集合写真

特別講演 「若者」「シェアリングエコノミー」「就労支援」

 今回のサミットでは基調講演のほか、「若者」「シェアリングエコノミー」「就労支援」それぞれのテーマと地方政治の関わりや今後の目指すべき方向性などについてご講演いただきました。3つのテーマは、政令市の中で最も若く、ブランドメッセージで「多様性は可能性」を掲げる川崎らしさをコンセプトとしています。

 地方政治と若者の関係について――。NPO法人Youth Create代表の原田謙介氏からは以下のような提言をいただきました。「選挙に行こう!がスタートだと、高校生も大人もワクワクできないのではないか。選挙は政治の一部でしかなく、政治も生活の一部でしかないのだから、選挙に興味を持ってもらうことがスタートではないはず。まちや生活に対して興味を持ち参加したくなるような企画を増やしていく必要がある」。これについては、議員個人が主権者教育に直接携わるのは望ましくない場面もあり、北川顧問の「議会としての機能」が期待される分野だといえます。

 地方政治とシェアリングエコノミーの関係について――。シェアリングエコノミー協会事務局長の佐別当隆志氏からは「シェアするものはモノに限らずスキル、場所、移動などがある。シェアリングエコノミーのメリットは経済的なものだけではなく、人との交流や環境負荷などもある」とのお話がありました。新しい経済活動であるシェアリングエコノミーの概要をご説明の上、自治体による多くの活用事例をご紹介いただき、サミットに参加した議員からも高い関心が寄せられていました。

「第6回地域政党サミット資料」より

「第6回地域政党サミット資料」より

 地方政治と障がい者就労支援について――。地元企業であるダンウェイ株式会社の高橋秀行氏から「約400万人いる障がい者(雇用施策対象者)のうち、雇用率は12%。88%の方に対する財政支出は1人当たり約200万円/年となっていて年間約7.1兆円が使われている。できないことを前提にするのではなく、やってみようの精神で挑戦し、その人なりの自立を実現することは本人の喜びだけでなく経済的にも重要」とのご指摘と、実際の取り組み内容などをご紹介いただきました。

地域政党が政治の新たな選択肢

 メディアでは、首長や国会議員など特定のカリスマが率いる地域政党が多く取り上げられます。それはカリスマによる発信力やそれに対する国民の注目度の高さは、短期的に政治情勢を一変させる大きな力を持つからです。しかし短期的な勢いは短期的に衰えるのが世の常です。そして短期的に期待と失望が繰り返される度に国民は政治に期待しなくなってきました。「改革すべき議会」は短期的につくられたものではなく、長い時間をかけてその内部で独特の文化を形作ってきました。

 地域政党サミットは地域政党間の情報交換・共同研究の場として機能することで、地に足の着いた地域政党の誕生と成長を支援してまいります。皆様方のご支援よろしくお願いいたします。

「地域政党サミット」参加政党
京都党(京都市/村山祥栄)
神戸志民党(神戸市/樫野孝人)
自由を守る会(東京都/上田令子)
地域政党ふくちやま(福知山市/荒川浩司)
リベラル保守の会(小金井市/渡辺大三)
ネクスト草加(草加市/木下博信)
地域政党あしたのかわさき(川崎市/重冨達也)
吹田新選会(吹田市/後藤恭平)
松山維新の会(松山市/池本俊英)
そうぞうぐんま(群馬県/井田泰彦)

※カッコ内は、主な活動地域と代表者

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■地域政党全国連絡協議会「地域政党サミット」
地域政党サミットの目的は以下の通り。(1)地域創生を進展させるために共同で活動を展開(2)政策、組織、運営などに関する情報交換を図り、地域政党の先駆けとしてネットワーク化を働きかける(3)健全な二元代表制の実現を図るために地方議員、地方議会の質の向上に向けた情報交換・事例共有・政策研究を推進
関連リンク
地域政党連絡協議会(地域政党サミット)