【LM推進地議連連載/リレーコラム47~地方議員は今~】
第124回 子どもたちのための政治を志して (2015/2/25 奈良県香芝市議会議員 福岡憲宏/LM推進地議連会員)
政治山では、政策立案を行う「政策型議員」を目指す地方議員らで構成される「ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟」(略称:LM推進地議連)と連携し、連載・コラムを掲載します。地域主権、地方分権時代をリードし、真の地方自治を確立し実践するために設立された団体のメンバーが、それぞれの実践や自らの考えを毎週発信していきます。現在は、全国47都道府県の議員にご登場いただき、地域の特色や問題点などを語っていただく「リレーコラム47~地方議員は今~」を連載しています。第124回は、奈良県香芝市議会議員の福岡憲宏氏による「子どもたちのための政治を志して」をお届けします。
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「すべては子どもたちのために!」
今年1月15日に開かれた香芝市臨時議会本会議場での私の発言です。
私の住まう奈良県香芝市は、この時世にも関わらず人口が増加、子育て世帯や子どもの数も多い自治体です。人口は8万人弱、奈良県の北西部にあり、金剛生駒紀泉国定公園を挟んで大阪府に接している地域です。
“大都市”大阪に国道165号を通じて数十分で届く近さ、一方で大阪府枚方市に通じる国道168号や名古屋方面にリンクする西名阪自動車道香芝ICも有しています。一方で鉄道網でもJR和歌山線、近鉄大阪線及び近鉄南大阪線が市の中心部を縦横に走り、市面積24.23平方キロメートルの範囲内に8つもの駅を有し、大阪市内へは最短22分という至便なところ。従って、大阪方面に通学・通勤する住民が非常に多いというのが私の住まう香芝市です。
その香芝市では当然ながら子育て施策の充実の要望も多く、自治体が慢性的に抱える諸課題と同時に、子どもたちの未来のための施策や財政的将来負担の議論が欠かせない側面を持ちます。「すべては子どもたちのために!」という地方政治を実践する議員になりたいと志したのが、私の市議になる動機でした。
冒頭の私の発言、これは、子育て世帯から根強い要望が多い中学校給食に関する臨時議会の場で発言した内容です。
委員会内では「もっと検討して、ちょっとくらい給食開始が遅れてもいいのでは?」という意見や「自校方式でないから……」との反対意見もありました。議論を重ねる場が議会であるのは当然です。一方で私が主張したのは「これ以上遅れて住民の期待を裏切るわけにはいかない!ベストな選択ではないかもしれないが、早期実現のためのベターな選択を!」ということです。
そうやって、香芝市と、隣接する広陵町で共同運営する中学給食センターの建設を議会で可決しました。2016年度開始予定です。
議員になって実際に取り組んできたことは、子どもに関することがほとんど。公立学校普通教室の扇風機設置推進、不登校・引きこもり対策、学校図書館の一層の機能充実、通学路の安全対策、児童虐待防止、そして子育て支援……。
私は身内に政治家がいる家系でもなく、政治家の下で長く修業を重ねた経歴も特段ありません。それをむしろ自身の特長とし、他方、20年以上子どもと直接関わる塾経営者としての感性をベースに常に議会活動に取り組んでいくのが信条です。
そんな中、地方議会で身をもって感じ入ることの一つが、私のようなタイプの人間の数がまだまだ少ないということ。地方議会を構成する「住民の代表」はまだまだ偏りがあります。若い政治家、女性の政治家、社会的少数派(マイノリティ)の代弁者、それぞれからきちんと構成されることが議論が闊達(かったつ)かつ有効に働く要素のはずですが、実際にはそうなってはいません。だからこそ私は、私自身の特性をより有効に働かせるためにも、実際に行動を起こし選挙に立候補しました。
政治とは、という話をよく聞きます。政治とは、語りつくされた議論かもしれませんが、マジョリティのみならず少数派であれ若年者であれ、多様な意見を交えて初めて地方政治は機能しなくてはなりません。そして「実際に参画すること」、これが何より重要なはずです。投票行動をしっかり起こし政治に意見を反映させることでもいい、議員と議会を常に監視し意見を伝えることでもいい、私のように実際に選挙に出るのも非常に有効。子どもたちの未来は私たちが今つくっている、常にその信条に立って感性を磨き発揮することが、やがて周囲に伝播する。その連続で自分たちが住まう地域の、そして日本の未来はつくられるはずです。
- 著者プロフィール
福岡憲宏(ふくおか のりひろ) 香芝市議会議員
同志社大学経済学部卒、完全個別指導伊藤塾経営
プロフィール(プレジデントナビ)/facebook
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