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【LM推進地議連連載/リレーコラム47~地方議員は今~】

第85回 議員になろう! (2014/5/14 長野県佐久市議会議員 飯島雅則氏/LM推進地議連会員)

関連ワード : 佐久市 長野 飯島雅則 

政治山では、政策立案を行う「政策型議員」を目指す地方議員らで構成される「ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟」(略称:LM推進地議連)と連携し、連載・コラムを掲載します。地域主権、地方分権時代をリードし、真の地方自治を確立し実践するために設立された団体のメンバーが、それぞれの実践や自らの考えを毎週発信していきます。現在は、全国47都道府県の議員にご登場いただき、地域の特色や問題点などを語っていただく「リレーコラム47~地方議員は今~」を連載しています。第85回は、長野県佐久市議会議員の飯島雅則氏による『議員になろう!』をお届けします。

◇      ◇      ◇

「議員になろう!」呼びかけに39人が参加

 政党やイデオロギーを排した「議員養成塾・真選組(しんせんぐみ)」を立ち上げました。
きっかけは、2013年4月に行われた佐久市議会議員選挙。そして、県内の市町村議員選挙。例外はありますが、無投票や候補者が1、2人オーバーなど低調だったこと、また、自分が議員になって「議会で活発に討論するには議員になる前の準備が大切」と感じたことからです。

 2014年4月17日の「立ち上げ会」には、県内各地から市町村議員に関心のある市民や現職議員計39人が参加。グループに分かれて活発に意見を交わしました。

設立主旨

立ち上げ会

立ち上げ会

 「議員になることが目的ではなく、議員になって何をするか」明確な目的・志を持った人をたくさん地方議会に送り出す。それにより、「見てみたくなる議会」「市民に信頼される議会」を作る。結果、住民意見が行政に反映されやすくなり、住民にとって、より住みやすい街にする。真剣に政治に臨む人、「真の選挙」を目指す人の集まりとして、”真選組”を立ち上げます。これが最終目的となりますが、実はそれ以上に「議会と市民との敷居を低くすること」を目指しています。

 市民は議員に対し、「過度の期待」や、逆に「感情的な批判」を持っています。議員の仕事や報酬などを正確に知ることにより、「なるほど!そうだったんだ。だったら、私も議員になれるかなあ?」と思うんじゃないでしょうか。ただ、そう思っても地盤・看板・カバンを持ち合わせていない。選挙も遠い存在だった。そんな人たちがほとんどです。そんな人たちの背中をちょっと押してあげる。「参加者全員で勉強する」そんな会にしたいと考えています。

今後のスケジュール

 1.政治活動や選挙運動の進め方の勉強
 2.議員となるため、また、なった後のための勉強
 2つの工程を同時進行で行います

 1つめは、具体的な選挙日程に照準を合わせ、政治活動や選挙運動の進め方を勉強します。「選挙に向けて何をしたらいいかを勉強する」これこそがこの塾の最大の特徴です。

 イデオロギーからスタートする「政治塾」はたくさんありますが、選挙に向けて具体的な勉強する塾はありませんでした。

 2013年、「俺がやらなきゃ!」という意気込みだけで、市役所職員を早期退職しましたが、それまで「議員になろう」などと思ったことは全くなく、また公務員だったので選挙運動などにも全く縁がありませんでした。地域から「出ろや」と推されたわけではない。政党や組合のバックアップもない。もちろん、お金もない。何から手を付けていいのやら、途方に暮れ、他市の市民派議員の方に教えを請うたり、選挙のハウツー本を読みあさりましたが不安でいっぱい。事務局長をはじめとし、スタッフはフェイスブックを通じて知り合った他地域の人、自分とカミさんを含めたったの5人。しかも、誰ひとりとして、今まで1度も選挙運動に関わったことのない「ド素人」でした。

 1から10まで全部、仲間の手作りでしたが、だからこそ「あの時これをやっておけばよかった」「こんな闘い方もあった」そう反省していることもあります。「読んでもらえるリーフレットを作るにはどうする?」「看板はどうする?」「街宣車の手配は?ウグイス嬢は?」「そして、選挙費用はどれくらい必要なの?」、経験を共有し、選挙までにやることを順次一緒に勉強したいと思います。

 次に、2つ目の、議員となるため、また、なった後のための勉強です。

 「当選した。議員になった。」翌日から議員活動ができるか?それは、無理というものです。今も先輩議員にいろいろ教えてもらいながらの毎日です。地方議会の役割は、「行政のチェック機能」と「政策提言」の大きく2つが挙げられます。それを、議員になったその日から果たすためには事前の勉強が必要です。予算書の読み方ひとつをとってみても、「款項目って、何?」「事業費がどこから捻出されているのか?」「国庫補助金がどれくらい?起債がどれくらい?」「一般財源は?債務負担行為?繰越?」……。行政の説明を、初議会からある程度理解できる状態で臨めるようにするのが目標です。

 合わせて「自分が議員になって質問をするとしたら」、そう考えながら議会を傍聴し、実践的に「模擬一般質問」を塾生同士で質問者と回答者になってやってみます。そのほかに、講師を招いて「地方議員の役割」などをうかがいます。

 また、議員定数削減のような賛否の分かれる問題を、削減に積極な立場の市議と、慎重な立場の私との討論を聞いてもらい、塾生同士で具体的な議論もしていただきます。
今後、2カ月に1度のペースで3年間続けることにしています。

ネクストステージ

 議員養成塾に対する反響の大きさにビックリしています。呼び掛けもフェイスブックが主で、地元紙のなおかつ地域欄での紹介だけだったのに、県内各地から39人も参加していただけました。参加動機はじつにさまざまだと思います。純粋に「議員になってみたい」と現段階で思っている人は一握りでしょう。でも、もし、この塾から何人かが市町村議員選挙に立候補したら、それはすごいことだと思いますし、たとえ誰ひとり立たなかったとしても、議会を理解してくれる一助になったら良いと考えます。

 また、参加者のうち現職議員が3分の1います。「1期目なので、勉強したい」という方もいますが、「実は前からこんな塾を立ち上げたかった。参考にしたい」という方も何人かいます。全国的な研修会でこの話をしたとき、「実は・・・」という方がいました。いろいろな地域でこのような塾が立ち上がり、もっともっと議会に関心持つ住民が増え、議会と住民のすき間が少しでも埋まったら良いと思います。

 皆さんも思い切って始めてみませんか?
 傍聴、歓迎します。

 次回は、6月17日(火)午後7時から約2時間。場所は新幹線佐久平駅から徒歩5分の佐久勤労者福祉センターです。ホテルもたくさんありますし、新幹線「あさま」で東京から約72分なので、日帰りも可能です。傍聴希望の方は、フェイスブックか、nailu7@ybb.ne.jpにて申し込み下さい。

著者プロフィール
飯島雅則氏飯島 雅則(いいじま まさのり):長野県佐久市議会議員 1期目。「子どもや孫に負担を押しつけたくない」という思いで、市役所職員を早期退職し議員に。ニックネームは「イイジマン」。地元FMでパーソナリティをボランティアで担当していた時から呼ばれている。
HP:飯島雅則後援会公式ホームページ
Facebook:飯島雅則 / いいじま雅則後援会
HP:twitter:ナイル(飯島雅則)
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飯島雅則氏プロフィール
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