第38回 政策実現のための活動を支えてくれるマニフェスト  |  政治・選挙プラットフォーム【政治山】

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【LM推進地議連連載/リレーコラム47~地方議員は今~】

第38回 政策実現のための活動を支えてくれるマニフェスト (2013/5/29 岡山県倉敷市議会議員 齋藤武次郎/LM推進地議連会員)

関連ワード : 倉敷市 岡山 斎藤武次郎 

政治山では、政策立案を行う「政策型議員」を目指す地方議員らで構成される「ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟」(略称:LM推進地議連)と連携し、連載・コラムを掲載します。地域主権、地方分権時代をリードし、真の地方自治を確立し実践するために設立された団体のメンバーが、それぞれの実践や自らの考えを毎週発信していきます。現在は、全国47都道府県の議員にご登場いただき、地域の特色や問題点などを語っていただく「リレーコラム47~地方議員は今~」を連載しています。第38回は、岡山県倉敷市議会議員の齋藤武次郎氏による「政策実現のための活動を支えてくれるマニフェスト」をお届けします。

◇        ◇        ◇

多様な地理と歴史を持つまち

 倉敷市は政令市・岡山市に次ぐ、県内第2都市で、面積354.72キロ平方メートル、人口約48万人の中核市。1967年に倉敷市、児島市、玉島市の3市が合併し、水島を加え、4地区の核を持つ合併都市です。

 大原美術館をはじめとする美観地区を持つ観光の倉敷、コンビナートを持つ水島、日本ジーンズ発祥の地・児島、貿易港と新幹線駅のある玉島といった地理や歴史の異なる多様な地域で形成されています。

 市議会の定数は43人で、6会派と無所属4人。議会基本条例を2013年4月に施行し、9月議会から一問一答式の議会質問を導入予定です。

マニフェスト大賞でグランプリを受賞

第7回マニフェスト大賞表彰式(倉敷市議会の会派「青空市民クラブ」は、地方議会部門グランプリ受賞)

第7回マニフェスト大賞表彰式(倉敷市議会の会派「青空市民クラブ」は、地方議会部門グランプリ受賞)

 私の所属する倉敷市議会の会派「青空市民クラブ」は、2011年に第6回マニフェスト大賞地方議会部門優秀賞、2012年に第7回マニフェスト大賞地方議会部門グランプリを受賞することができました。グランプリを受賞した取り組みは、「マニフェストサイクルをまわし、任期最終年度に『外部評価』と『会派マニフェスト検証大会』を実施」です。

 グランプリを受賞した際には、「2009年1月選挙において掲げた会派マニフェストを所属議員がしっかりと活動の中心に据え、政策項目37項目中22項目を実現した。その間、毎年、成果の自己評価を重ねた上に、任期最終年度の本年は、外部評価委員による評価を受けるともに、市民400人の参加を得て、会派マニフェスト検証・評価大会を開催、優れたマニフェスト首長に匹敵するマニフェスト・サイクルの回しを行って見せた。その取り組みの高い持続力は他の範となるものである」との講評をいただきました。

マニフェスト実現に向けた地道な取り組み

倉敷市議会議員 齋藤武次郎氏

倉敷市議会議員 齋藤武次郎氏

 また、マニフェスト実現に向けて日常活動は地道ではありますが、積極的に活動しました。毎月2回の会派街頭演説、毎月1回の管内視察、市民対話集会、市政報告紙の発行、定例議会ごとの予算勉強会、予算関係現地調査、マニフェスト関係の質問、年数回のネット市民アンケート、年1回の市長への要望書提出と、様々な取り組みを行いました。

 青空市民クラブは、「1人ひとりを大切にする市政の実現」をスローガンに、1997年「垣根のない爽やかな青空の下、市民の皆さんとともに市議会に新風を送り込む」新会派として、当時のメンバーが自民党、社会党を離党して結成しました。その後、民主党の議員も加わりました。そんな私たちは、政策の一致が大きな課題でした。そこで、2005年の選挙から会派マニフェストを掲げました。

 また、私個人として、岡山県若手市町村議員グループ「議員ネット30」や全国若手市議会議員の会の設立に携わりました。もちろん超党派のグループで、政策研究活動もしっかり行ってきました。

「理想を追求することを諦めてはならない」

 しかし、選挙では、そのような活動が必ずしも高く評価されるわけではありません。議員として、政策立案や政策実現のような活動をしたいと努力する、しかし、その活動を続けていくためには選挙は避けて通れません。その選挙の際に、有権者の皆さんから求められることは、政策ではないことが少なくありません。このギャップに悩まされている議員も少なくないことだと思います。

事務所開き記念パーティーで登壇する斎藤氏

事務所開き記念パーティーで登壇する斎藤氏

 ただ、政治家である私たちが「理想を追求することを諦めてはならない」と常に思っています。会派でのマニフェストを掲げていますが、自らの選挙では、個人マニフェストを作成し、その内容を訴えるミニ集会中心の選挙も実践してきました。

 気持ちが折れそうになる時も数多くあります。そんな時に、マニフェスト大賞グランプリの受賞は、大きな勇気とエネルギーをいただきました。次の時代を担う若い皆さんに、理想を持って政治に参画してもらえる環境をつくっていく礎になりたいと思っています。

著者プロフィール
齋藤 武次郎(さいとう たけじろう):倉敷市議会議員。1963年5月26日生まれ、香川大学卒業、岡山県庁に6年勤務し、1992年に退職。1993年市議会議員選挙に初当選、現在6期目。岡山県若手市町村議員グループ「議員ネット30」会長、中四国若手市議会議員の会会長、全国若手市議会議員の会会長を歴任。著書に「いま、中国地域が動く」(共著)、「岡山発!若者たちの改革」(共著)、「全国若手議員からのメッセージ」(共著)、『地方分権で自治体議会が生まれ変わるか?』(共著)がある。
HP:倉敷市議会議員 齋藤武次郎のホームページ
メール:info_at_takejiro.net(迷惑メール対策のため、「@」を「_at_」と表示しております。送信の際には「@」に変更してください)
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