全国初、「つながりの豊かさ」を地方創生の評価軸に―鳥取県 (2018/1/16 日本財団)
「つながりの豊かさ指標」
日本財団、鳥取県、慶大研究所が共同開発
日本財団と鳥取県、慶応大学SFC研究所(社会イノベーション・ラボ)はこのほど、地方創生の評価指標を全国で初めて開発した。名付けて「つながりの豊かさ指標」。日本財団と鳥取県の共同プロジェクト「みんなでつくる“暮らし日本一”鳥取県」の一環で、「鳥取発」の評価指標として、県内の自治体や全国各地での活用を呼び掛ける。
全国多岐にわたる地方創生の取り組みに対する評価は従来、個々の物差しで行ってきたのが実情だった。そんな中で県民の生活実感や活動実感を基に、鳥取県における「つながりの豊かさ」を可視化・指標化し、その状況を把握できるようにしようと指標開発を目指した。
県民がボランティア活動への高い関心と参加率を持ち、自治会などの地域活動を盛んに行っていることに着目。自発的な協力活動が生まれる土台となっている人々の「つながり」について、どのように実感しているか調査した。
活動団体などへのインタビューや新聞記事の分析を行い、得られた発言などから「つながり要因」60項目を設定。県民3,000人、NPO法人・広域的地域運営組織388団体、行政担当者19市町村を対象とした「つながり要因の重点化調査」(質問紙調査)を実施し、この結果を基に「鳥取県のつながりの豊かさ指標」22項目を設定した。
調査から見えてきたのは▽自然を感じながら暮らしを営める▽住んでいて愛着を感じられる▽地域の人と適度な距離で付き合える▽知らない人があれば教えてくれる人がいる▽困ったときに周りの人に頼れる-地域であり、想いを共有する仲間がいる。このことが鳥取県の強みと魅力。一方で故郷を離れた子どもたちに「帰ってこい」と言える地域である、がんばる若者を応援する-ことがこれからの期待度として浮かび上がった。
今後この指標を活用しながら、鳥取県の「つながりの豊かさ」や「ソーシャル・キャピタル」(社会関係資本)をつくりだし、社会・地域における人々の信頼関係や結び付きの維持・向上に向けて、より効果的な地方創生の推進を促していく。
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