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特集「東京都議会議員2013」

東京都議会議員選挙2013「各政党の公約を読み解く」 (2013/6/14 早大マニフェスト研究所)

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早稲田大学マニフェスト研究所では、6月14日告示の東京都議会議員選挙の各政党(各会派)の公約(マニフェスト)について、学生と一緒にチェック表を作成するとともに、座談会を開催した。今回の東京都議会議員選挙は、7月に行われる参議院議員選挙の前哨戦として位置付けられているが、本来、地方選挙は、それぞれの地域課題の政策を問うものだ。前回の2009年東京都議会議員選挙では、新銀行東京や築地市場移転の問題など、執行部に対する議会の対応が大きな争点として公約にも掲げられたが、今回は全体的に曖昧(あいまい)になっている印象がある。

◇         ◇         ◇

 日本の首都である、東京都をどのような都市にしたいのか。東京都議会議員選挙は、それを占う4年に一度の重要な選挙だ。公約の内容については、チェック表を参考にしていただき、ぜひ、各政党の主張や、政策を実践しようとする姿勢を比較してみてほしい。また、学生との座談会の様子も取りまとめたので、ここで紹介する(政党の並びは会派議席数順)。

マニフェストの全体の印象について

各党の政策集

各党の政策集

質問:「各党が出した今回の都議選マニフェストについてどのような印象を持ちますか?」
学生A:「どれも抽象的で具体性に欠けている。何に取り組もうとしているのかイメージしにくい」
学生B:「争点が見えづらい。親・猪瀬知事か反・猪瀬知事かくらいの違いしか見えてこない印象を持つ」
学生C:「“参院選の前哨戦”と言われているが、国政と地方政治はその仕組みが異なるのになぜなのか。実際、東京都議会の選挙なのに公約が国政のようなものを出しているところもある」
学生D:「6月3日になってやっと発表しホームページへ掲載した党もあった。6月4日現在、まだホームページを見る限りでは公約が不明なところもある。これでは、政策で選挙を行おうという意識が伝わってこない。だから盛り上がらないのではないか」
学生E:「予算規模や財源根拠がまったく示されていない」

各政党のマニフェストについて

北川正恭氏を交え、各党の政策について議論する学生たち

北川正恭氏を交え、各党の政策について議論する学生たち

【民主党】について
学生A:「前回(2009年)は、築地の移転や新銀行東京の問題など争点が明確に出されていたのに、今回は非常に曖昧になっている印象を受ける」
学生B:「部分的ではあるが、他と比べて政策に数値目標が掲げられているところが多く、イメージしやすい内容となっている」
学生C:「都営地下鉄と東京メトロのサービス一元化や駐輪場の整備など、都心部が抱える課題を書いているところもよい」

【自由民主党】について
学生A:「国政との強い連携が冒頭から伝わってくる」
学生B:「『東京を世界で一番の都市に!』と目指す東京都の都市像が示されているが、政策については平凡で、何がどの程度までになったら世界一になるのか、何で世界一を目指すのかが不明である」
学生C:「ホームページからの政策集が見やすくなっていてよい」

【公明党】について
学生A:「本日現在、ホームページには掲載されていないため、有権者が政策を確認することはできにくい環境にある」
学生B:「防災減災の視点で作成された政策が多い。福島県への被災地支援のさらなる展開を掲げているのは公明党だけである」
学生C:「待機児童対策や高校生の海外留学者数に数値目標を示している点はわかりやすい」

【日本共産党】について
学生A:「国民健康保険料を1世帯5,000円引き下げ、介護保険料などは1人当たり5,000円引き下げるという政策はわかりやすい」
学生B:「共産党に限らないが、どの程度の予算が必要で財源はどうするのかが不明である」
学生C:「他に比べて都議会改革に触れている点はよいのではないか」

【生活者ネットワーク】について
学生A:「東京都をどのような都市にしたいのかが示されていない。2009年の東京構想を今回も適用しているのか不明」
学生B:「政策が網羅的ではなく優先度の高いものに絞り込まれているが、具体性に欠けるため伝わってこない」
学生C:「生活者の視点、特に女性の視点を強調しているところは、他と異なっている点である」

【日本維新の会】について
学生A:「ホームページで検索できる限りにおいては随分古いものが掲載されているが、今回の都議選はこれを踏襲するのだろうか?」
学生B:「大半が現行の都政の仕組みを変えることを訴えているが、猪瀬知事は石原知事の後継者として就任しており、石原氏が代表を務める日本維新の会としては矛盾しないか?」
学生C:「他と比べて、カジノ誘致を提案しているのはここだけである。」

【みんなの党】について
学生A:「見出しだけで、内容がほとんど不明である」
学生B:「教育基本条例の制定や幹部職員の3割を民間から登用するなど部分的にイメージできる項目もあるが、実現可能かどうか不明である」
学生C:「児童相談所等の事務を国から都へ移管するなど、分権意識が高い」

 

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