[宮崎・宮崎市]読者の声を読者が知る (2017/5/19 本田正美)
この記事は「市広報みやざき平成29年5月号 No.883『Reader’s Voice 読者の声」を紹介し、コメントしたものです。
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広報紙には読者がいます。広報紙を読んでいても普段は他の読者のことを意識することがないのかもしれませんが、確実に自分以外の誰かも自治体の広報紙を読んでいるのです。そうは言っても、なかなか他の読者の存在を感じ取ることは難しいと言えるでしょう。
今回取り上げる宮崎県宮崎市の広報紙には、読者の声を紹介する記事が掲載されています。はがきやホームページ経由で意見や感想の投稿を募っており、その結果として寄せられた意見や感想の一部が広報紙の記事で紹介されているのです。これを読むことで、他の読者の存在を感じ取ることが出来ます。
この意見や感想自体は、広報紙を作成している部署にとって紙面づくりに大いに参考になる情報なのだと思いますが、一読者としても他の読者がどこに注目して読んでいるのか、どこを面白いと感じているのかといったことを知ることが出来る貴重な情報となります。自らの興味関心からどうしても目が行ってしまう記事がある一方で、関心が薄いために見落としてしまっている記事や情報もあると思います。そういうものを気付かせてくれるという意味で、読者の声の掲載は、読者である市民にとって大変有用な取り組みであると言えるでしょう。
寄せられている意見や感想の数によっては、どれを広報紙に掲載するのか判断が難しいということもあるのかもしれません。それでも、是非このような取り組みは今後も継続して欲しいと思います。
- [著者]東京工業大学環境・社会理工学院研究員/東京大学大学院情報学環客員研究員 本田正美
- [参考]市広報みやざき平成29年5月号 No.883