[東京・品川区]【働く女性の注目記事】孤立を防いで虐待の芽を摘もう。ホットラインや相談窓口の活用を。 (2017/5/4 菅田亮子)
この記事は「広報しながわ 平成29年4月21日号子育て支援特集号『虐待かな?と思ったら…』」を紹介し、コメントしたものです。
つい先日のことです。朝、娘を幼稚園に送っていくと、園の玄関前でぐずっている男の子がいました。登園しぶりというよりは暴れているといった感じで、しまいに地面にひっくり返って抵抗していたのですが、その時、連れて来たお母さんが何か怒鳴りながらその子をドカッと蹴りつけたのです。私も娘もびっくりして足が止まりました。まるでテレビで見る“衝撃映像”のようでしたから。先生が出てきて「○○くん、階段を登ろう」と連れて行き、後からバスの運転手さんが脱げた帽子を拾って届けるところまで、一部始終を見てしまいました。
それ以来、何度となくあの情景が思い出され、「あのお母さんは仕事に向かうところで急いでいたのだろうか」「先生が意外に落ち着いていたから、あの子はいつもああなのだろうか」などと考えたりするのですが、やはり浮かんでしまうのは「虐待」という言葉です。子育てしている親とってとてもデリケートな言葉。わが子に手を上げたい人などいないはずなのに、ままならない状況やストレス、孤独感に追い詰められてつい……。知らない間にこんな心の闇が生じてしまうことも、どこかで理解できるのです。では、わが子に当たってしまう人と、そうでない人の違いはどこから生まれるのでしょう?
東京都品川区では、平成22年より、虐待に関する情報を24時間受け付ける専用ダイヤル「しながわ見守りホットライン」を設けています。同区の啓発チラシには、子育てに悩んでいても相談したり手伝ってもらえる相手がいない家庭が増えていることが原因の一つにあるようだとあります。張りつめた気持ちを誰かに話すだけでも楽になることがありますね。ホットラインはこうした人のためのものでもあるのです。孤立して心のコントロールを失った時、また、身の周りで「もしかして?」というサインに気づいた時。もしもの時は、お住まいの自治体の相談窓口や児童相談所へためらわずに相談しましょう。