[埼玉・狭山市]児童虐待防止のために、わたしたちができること (2016/11/15 金井茂樹)
この記事は「広報さやま 2016年11月号『11月は「児童虐待防止推進月間」』」を紹介し、コメントしたものです。
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厚生労働省は、2004年(平成16)から児童虐待防止法が施行された11月を「児童虐待防止推進月間」と定め、児童虐待を防ぐための取組みを推進しています。この時期には、自治体も広報紙に“児童虐待防止”の特集を組み、児童虐待の現状や防止の取組みについて地域の方にお知らせしています。
今回は、その特集記事のなかから埼玉県狭山市「広報さやま」2016年11月号に掲載された「11月は“児童虐待防止推進月間”」を取りあげます。この記事では、子どもを守るために“私たちにできることは何か”をテーマにして、児童虐待の定義からはじまり、児童相談所に寄せられた相談件数の推移や虐待の現状が紹介されています。平成27年度の全国の児童相談所への相談件数は10万件超にのぼり、平成2年の調査開始以来、25年連続で増え続けているそうです。このような状況にあって、狭山市は警察署や児童相談所、保健所などで構成する「要保護児童対策地域協議会」を設置して、子育て世帯の情報共有と虐待につながる可能性の早期発見に積極的に取り組んでいます。
厚生労働省が8月に発表した「平成27年度児童相談所での児童虐待相談対応件数(速報値)」の資料によると、虐待相談の経路が警察や学校だけではなく、近隣知人や家族からの通告が多くなっていることがわかります。もちろん児童虐待がゼロになることが一番いいのですが、相談件数の増加はわたしたちの虐待に対する意識改革が進んでいる証拠であるとも思います。“わたしたちに何ができるのか”を考え、社会全体が子どもを支えていかなければならないことを改めて認識しました。
☆児童相談所全国共通ダイヤルは「189」(いちはやく)番です
- [筆者]「自治体広報広聴研究所」代表、公共コミュニケーション学会会員、元自治体職員、東京都在住 金井茂樹
- [参考]広報さやま 2016年11月号