[岡山・倉敷市]「相談のページ 生活」 (2016/10/11 金井茂樹)
この記事は「広報くらしき 2016年10月号『相談のページ 生活』」を紹介し、コメントしたものです。
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総務省は、毎年5月と10月に「行政相談週間」をもうけています。これは、総務省(当時の行政管理庁)が1967(昭和42)年から始めたもので、“行政相談制度について国民の理解を得るとともに、その利用の促進を図ること”を目的として行われるものです。今年は、10月17日(月)~23日(日)までの一週間となっています(一日合同行政相談所を全国157か所開設)。総務省ホームページでは、行政相談とは公正・中立の立場から、行政などへの苦情や意見、要望を受け、その解決や実現を推進するとともに、行政の制度や運営の改善に生かす仕組みとされています。自治体広報紙にも、この期間にあわせて相談業務に関する記事が数多く掲載されています。
今回は、この相談業務に関する記事のなかから岡山県倉敷市「広報くらしき」2016年10月号の「相談のページ 生活」を取りあげます。この記事では、市政・市民相談をはじめ、消費生活相談、人権相談、年金相談、保健福祉相談など、日常生活の身近な相談から専門性の高い相談まで、幅広い窓口が案内されています。そのなかには、「女性の弁護士による法律相談」という窓口もあり、相談者のニーズにきめ細かく対応していることがうかがえます。相談業務の案内は、市民生活便利帳や公式ホームページにも掲載されていると思いますが、広報紙への掲載は利用者の利便性をさらに向上させると思います。なお、10月号には子どもに関する相談窓口も案内されています。
最近は、自治体の行政サービスとして相談業務は一般的に行われていて、地域の方も住民の困りごとを聴く相談業務は自治体がやるべき仕事だと思っているようです。しかし、地方財政の危機的状況に陥った昭和40年代においては、自治体の相談業務は“法令にもとづかない過剰サービス”だと批判され、その存続も危ぶまれたこともありました。地域は、そこに暮らす方の意見や要望によって良くなっていくと思います。これからも行政・議会ともに住民の声に真摯に耳を傾けてほしいと思います。
- [筆者]「自治体広報広聴研究所」代表、公共コミュニケーション学会会員、元自治体職員、東京都在住 金井茂樹
- [参考]広報くらしき 2016年10月号