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超高齢化時代にシニア人材を活かす考え方 (2018/12/13 瓦版

関連ワード : 労働・雇用 少子高齢化 高齢者 

人生100年時代を労働時間が延びるだけにしないために

人生100年時代ということばがいつの間にか既定路線のように浸透しつつある。確かに寿命も定年も伸び続けている。生涯現役も止む無しという状況が迫り来ている感覚はある。だが、具体的にシニア人材がどう職場や社会でいつまでも活躍し続けるかのシナリオは十分に考察されていない。

次の100年へ向け、未来への案内役となることを宣言した帝人鈴木純社長

次の100年へ向け、未来への案内役となることを宣言した帝人鈴木純社長

年を重ねればあらゆる機能が衰える。現役時代のようにてきぱきと働くことは簡単でなくなる。年功序列だった残像で高い報酬を与えると、職場のバランスが崩れる…。シニアの活用にはまだまだ職場レベルでは課題が山積している。

繊維事業を起源に総合化学企業として2018年に創立100周年を迎えたTEIJIN株式会社が次の100年を見据え、「THINK HUMAN PROJECT」を立ち上げ、その集大成としてさきごろ都内で「THINK HUMAN EXIBITION」を開催。人が抱えるテーマを9つに分類し、独創的な提言や成果を行った。

常識に捉われない発想が新たな時代を切り開く

「超高齢化」もそのひとつ。そこでは、超高齢社会の問題や課題をもう一度客観的に捉え、新しい未来を考察している。例えばウェルネス・コンシェルジュという考え方。これは、シニア特有の悩みには同世代のシニアが共感できるという仮説のもと、アクティブなシニアが心身両面のサポートにふさわしいといった提案。すでに類似のサービスもあるが、企業パートナーとして、豊富な実体験で孤独な企業に寄り添う伴走者としての役割もフィットすると提言している。

ハッキリしているのは、会社員として単に働く期間を延ばすのではなく、培った経験や知見を活かし、新たな役割を与えるという視点に立っていること。超高齢化における職場での課題は、生産性の低下や組織バランスの崩壊だが、発想を転換することでむしろプラスに捉える。それこそが人手不足とも表裏一体の超高齢社会に、若者とシニアが融合し、よりいきいきとした職場へ発展させる次世代型の働き方のベース思考にふさわしいといえるだろう。

「THINK HUMA EXIBITION」の会場

同イベントではその他、テクノロジー全盛の時代における「人間らしさ」、食、繊維、環境、住空間、完成、移動、加齢について斬新な考察を発表。大きな転換期にある時代にあって、次の100年をどういった思考へシフトし、新たな環境へ順応していくかのヒントが提示された。

同社自身が、繊維を起源に創業しながら、いまでは自動車メーカーとも接点を持つなど、常識に捉われない発想で進化を続けているように、もはや同じことをし続けるだけは企業として存在を維持すことさえ困難な時代。未来と向き合わずして前進はないが、その取っ掛かりとして、大いに刺激を与えてくれる場がそこにはあった。

提供:瓦版

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