観光庁、トリップドットコム(Trip.com)のホテル客室の架空販売事件を受けて利用上の注意を喚起 (2018/12/7 Airstair)
観光庁は12月6日、オンライン旅行サイトのトリップドットコム(Trip.com)で発生していたホテル在庫の架空販売事件に関するトラベルメディア「Traicy」の報道を受けて、海外OTA等の旅行サイトに関する利用上の注意喚起を行った。
今回の注意喚起は、「宿泊施設の許可なく消費者から当該宿泊施設の予約を受け付け、予約の受付と同時に消費者からキャンセルができない形で宿泊代金を収受するという」問題行為を行う海外OTAが存在をすることを受けて実施されたもの。
中国最大手オンライン予約サイトのCtrip(シートリップ)が運営するトリップドットコム(Trip.com)で、すでに満室であるにも関わらずホテルや旅館の部屋が「空室」として勝手に掲載されていた問題に端を発する。
トリップドットコム(Trip.com)によると架空販売については社内調査の結果、一部の悪質な販売業者によって実際に架空販売が行われていた事実を認めるとともに、対象となる販売業者の詳細等に関し、調査を進めているという。
■一部メディアでの報道について Trip.com Japan
トリップドットコムは「Ctrip」のグローバル版
トリップドットコム(Trip.com)とは、中国最大手オンライン予約サイトのCtrip(シートリップ)が運営するオンライン予約で、世界200ヶ国、120万軒のホテルや200万ルートの航空券などを扱うオンライン予約サイト。
以前は、日本からでもCtripの日本版サイト(http://jp.ctrip.com)でホテルやフライトの予約ができたが、日本を含むグローバルブランドは「Trip.com」にブランドの変更行っている(なお、中国国内向けは引き続き「Ctrip」の名称で行っている)。
Trip.comは元々「Ctrip」のものだったわけではなく、元々は現地アクティビティなどの情報サイトを運営していたスタートアップ企業のTrip.com社(旧Gogobot社)を2017年11月に買収して獲得したもの。
しかし、買収したTrip.comの旅行サービス自体はCtrip傘下のSkyscannerのサービスへ移行しており、「Trip.com」はCtripのグローバルブランドとしての立ち位置になっている。
この不可解な買収劇には、中国を意味する「C」を取り日本を含むグローバルで拡大を狙う意図があったとみられるが、日本では今回の問題によって信用を失った形だ。
ホテル系の組合も会員へ注意喚起
ホテル系の組合である東京都ホテル旅館生活衛生同業組合と日本旅館協会東京都支部も組合員・会員に対して、トリップドットコム(Trip.com)で架空のホテル客室が販売されている問題について注意喚起を行っている。
通知文書の中で「Trip.com、Ctripには部屋を出していないら大丈夫という事」はないと述べ「勝手に架空の部屋を創る手口ですので注意が必要」だとし、運営するホテルや旅館が被害を受けていないか確認するよう求める。
Trip.comは、一連の騒動を受けて報道機関向けの文書の中で「宿泊施設関係者の皆様には対象施設への訪問や各地で行っている説明会等で直接説明させていただく予定」だとしている。
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