お金を稼ぐ意味が薄れるAI時代に働く意味とは (2018/11/5 瓦版)
変人・安田の境目コラム
お金儲けがヒト以外にシフトする中で人間がやることとは
力仕事が人間から機械に移り、頭脳労働もコンピュータに移り、お金儲けさえもがAIに移る…。この先人間は何をやればいいのでしょう。
働く目的は人によって違いますが、共通しているのは「お金を稼ぐ」という部分。この部分がなくなってしまったら、私たちは一体何のために働くのでしょうか。やり甲斐とか、生き甲斐とか、人の役に立つ喜びとか、自分自身の楽しさとか。
お金以外にも、もちろん働く理由はたくさんあります。でも、お金を稼ぐという目的がゼロなんて、そんな仕事はイメージが湧きません。それはもはや仕事と呼べないかもしれない。じゃあそれは一体何なのでしょうか。私にはさっぱり分かりません。きっと誰にも分からないでしょう。
お金という概念を持たない人に、お金とはどういうものかを説明する。時間という概念を持たない人に、時間とはどういうものかを説明する。そういう難しさが、そこにはあるのではないでしょうか。
私たちにはとても理解しにくいこと。でも分かる人にとっては、簡単なこと。ごく当たり前なこと。お金以外のために働くということ。
稼がなくても食べていけるのになぜ働くのか
稼がなくても食べていける。稼がなくても住むところがある。稼がなくても生活できる。それはもうとっくに、実現可能なのかもしれません。実現可能だけど、実現していない。それは私たちが恐れているから。働かなくても生きていける社会を、お金がなくても生きていける社会を、私たちがとても怖がっているから。
お金がないと生きていけない。だからお金のために働く。それがこの社会を動かす根幹のルール。人を集め、人を動かし、文明と現代社会を築き上げてきたもの。それは紛れもなくお金だったのです。
権力が人を動かす時代から、お金が人を動かす時代に変わり、次は一体何が私たちを動かすのか。AIによる明確な指示でしょうか。それとも私たちの心の声でしょうか。答えはもうそこまで来ています。
<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
1965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。
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