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浦和一女に何がおこったのか~2018年埼玉県立高校(学校選択問題採択校)入試概況(1) (2018/6/28 クオリティ埼玉

関連ワード : 埼玉 教育 高校生 

平成30年度(2018年春)の埼玉県公立高校入試では、いわゆる「公立離れ」の傾向がみられました。2年目を迎える「学校選択問題」への対応、3年後の大学入試を見据えた準備(大学入試新テスト1期生となるため)、私立高校生への学費軽減策などいくつかの要因が組み合わさっていて、その影響は公立高校それぞれに違った形で表面化しているため、現在中3あるいは中2の保護者にとっては情報の分析が大変難しく感じられることでしょう。

今回は、2年目を迎えた学校選択問題を採用している20校について出願者を確認し、受検生の動向を確認していきます。

女子高生

2018年春の概況

2018年春に高校入試を迎えた埼玉県内の中学3年生は、前年に比べて卒業予定者が1137名減少しました(減少率1.7%)が、公立高校への進学を希望した者はおよそ2000名減少しており(減少率4.1%)、いわゆる「公立離れ」の傾向がみられました。

資料1 平成30年3月 埼玉県内中学校卒業予定者の動向

2017年春
(1)
2018年春
(2)
2-1 2→1
増減率
中学卒業予定者数 66,132名 64,995名 ▲ 1,137名 ▲1.7%
公立高志望予定者数 47,863名 45,906名 ▲ 1,957名 ▲4.1%
私国立高志望予定者数 13,996名 14,524名 528名 3.8%

(埼玉県教育委員会HPより)

次に、学校選択問題を採用している20校について見ていきます。偏差値帯によってAとBに2分割し、理数科を別にCとして抽出していますのでご注意ください。

資料2 平成30年度 埼玉県公立高校における入学志願者数

偏差値 学校選択問題
実施校A
2018年
志願者数
(1)
2017年
志願者数
(2)
2-1 2→1
増減率
2017→2018
定員増減
73 浦和 504 500 4 0.8%  
72 浦和一女 448 539 ▲ 91 ▲16.9% 40名定員減
71 大宮(普通) 484 500 ▲ 16 ▲3.2% 40名定員減
69 春日部 490 510 ▲ 20 ▲3.9% 40名定員減
69 川越 508 503 5 1.0% 40名定員増
69 さいたま市立浦和 491 407 84 20.6% 40名定員増
68 川越女子 549 538 11 2.0% 40名定員増
67 蕨(普通) 392 520 ▲ 128 ▲24.6% 40名定員増
66 不動岡(普通) 422 467 ▲ 45 ▲9.6%  
66 所沢北 508 520 ▲ 12 ▲2.3%  
66 越谷北(普通) 433 434 ▲ 1 ▲0.2% 40名定員減
  グループ総計 5,229 5,438 ▲ 209 ▲3.8%  
偏差値 学校選択問題
実施校A
2018年
志願者数
(1)
2017年
志願者数
(2)
2-1 2→1
増減率
2017→2018
定員増減
66 熊谷 403 375 28 7.5%  
65 熊谷女子 409 386 23 6.0%  
65 浦和西 578 622 ▲ 44 ▲7.1% 40名定員減
64 川口北 524 483 41 8.5% 40名定員減
63 越ヶ谷 566 452 114 25.2%  
62 熊谷西(普通) 314 328 ▲ 14 ▲4.3%  
62 和光国際 312 310 2 0.6%  
59 川越南 544 548 ▲ 4 ▲0.7%  
59 所沢 540 504 36 7.1%
  グループ総計 4,190 4,008 182 4.5%  
偏差値 学校選択問題
実施校A
2018年
志願者数
(1)
2017年
志願者数
(2)
2-1 2→1
増減率
2017→2018
定員増減
73 大宮(理数) 92 100 ▲ 8 ▲8.0%  
68 越谷北(理数) 59 68 ▲ 9 ▲13.2%  
68 所沢北(理数) 67 80 ▲ 13 ▲16.3%  
62 熊谷西(理数) 50 56 ▲ 6 ▲10.7%  
  グループ総計 268 304 ▲ 36 ▲11.8%  

志願者数を減らした高校が目立ちますが、大宮(普通)と春日部については、定員が40名減っているので倍率はどちらも前年より上昇し(大宮:1.41→1.52 春日部:1.29→1.37)、浦和西も倍率は前年並みで収まっています。

川越と川越女子は、どちらも定員が40名増加したものの出願者数は微増にとどまったため、倍率は川越が1.41→1.28、川越女子が1.51→1.38と減少しました。この地域は近隣に私立進学校が多いことや電車1本で行ける私立附属校が複数あることから、他地域に比べて「公立離れ」の傾向が現れやすい(90年代にも同様の時期あり)ことが影響していると思われます。

 こうした学校に対して今春倍率が急落したのが浦和一女と蕨です。この2校が受検生あるいは保護者から評価されなかった理由について、この後詳しく分析していきたいと思います。

提供:クオリティ埼玉

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