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「未来のことはわからない。でも、前に進みたい」海外ノマドワークをするテツヤマモトさん―【海外で暮らすフリーランスのリアル】第6回 (2018/6/21 nomad journal

関連ワード : 労働・雇用 

「遠い存在だ」「自分とはちがう」。そう思われがちな、海外フリーランスという働き方。でも本当に、海外フリーランスは特別なのでしょうか?

海外フリーランサーが実際どんなふうに仕事をしてどんなふうに生活しているのか、月一度のインタビューを通してお伝えしていきます。

第6回目のインタビューに応じてくださったのは、旅をしながらノマドとして働いているテツヤマモトさんです。

「未来のことはわからない。でも、前に進みたい」海外ノマドワークをするテツヤマモトさん

お話をうかがった方:テツヤマモトさん
海外ノマド系フリーランス、ブロガー、WEBエンジニア。フットワーク軽く生きたくて、新卒でフリーに。その後、海外35カ国を旅しながらノマドワーク。現在は1ヶ月ごとに拠点を変えつつ、旅生活を継続中。勉強が大好きで年に3回語学留学をする。

就職後、たった5カ月で退職しフリーランスに

雑誌編集者として北海道の農家・雑貨店・カフェなどを取材

雑誌編集者として北海道の農家・雑貨店・カフェなどを取材

大学4年生の夏に、旅雑誌の編集者として内定をもらいました。

そのときはまだブログの収益化なんて考えてなかったんですけど、少しして、ブログの収益とゲストハウスのアルバイト代を合わせると、初任給を超えるようになりました。

でももう大学4年の2月だったし、「内定辞退するのはどうかなぁ」と思って、モヤモヤしつつも就職したんです。

でも働き始めてからも、そのモヤモヤはずっと続きました。「いつ辞めようかな? 3年後かな? 5年後かな?」と思いながら働いていたんです。

人数が少ない部署だったんで、いずれ自分にも役職がつくだろうし、先輩が結婚したら僕の負担も大きくなるだろうし……。

「一番辞めやすいのはいつだろう」って考えたときに、「今しかない」と思って、2016年の8月に仕事を辞めました。新卒で就職して5カ月後のことです。

すごくかわいがってもらったので申し訳なかったんですけど、快く送り出してもらいました。

マイナー地域の情報発信にチャレンジするも……

北海道上砂川町で町長に直接インタビューする様子

北海道上砂川町で町長に直接インタビューする様子

仕事を辞めて、マイナー地域の情報発信をはじめました。有名なところならたくさん情報があるけど、マイナー地域だと情報がすごく少ないんです。だから、「僕が発信しよう」と思って。

8月に退社したあと、9月は北海道の江別市、10月は北海道の士別市、12月は北海道の上砂川町に1カ月住んで、現地の情報を発信しました。でも、思っていたより反応がなくて……。

当時、なにをするにも僕の実力が足りなかったんです。それを痛感しましたね。

「じゃあ次はどうしよう」って考えたときに、旅をして生活しようと思いました。もともと旅をしながら生活するのに憧れていたし、人とちがうこと、いままでやったことのないことをしたい、という思いがあったので。

よさこいサークルを通じて経験した「旅生活」

愛知県『にっぽんど真ん中祭り』でのよさこい演舞の様子

愛知県『にっぽんど真ん中祭り』でのよさこい演舞の様子

大学生のとき、よさこいサークルに所属していました。北海道大学の『縁』っていうサークルで、『よさこいソーラン祭り』で8年連続ファイナルステージに進出するくらいの強豪です。

でもちょっとヘンなサークルで、夏は日本を放浪して全国のお祭りに乱入するんです。「僕たちはこういうグループなんですけど、この祭りで躍らせてもらえませんか」って営業して、プログラムに急遽入れてもらったり。

でも、学生なんで、お金がないじゃないですか。だから100回以上ヒッチハイクしたし、野宿もしました。無茶なことばっかりやってましたね。

その経験を通して、旅生活を感覚として学んでいました。だから、「どこに行っても大丈夫」という気持ちがあったんです。

そんな経緯もあって、2017年の2月から、海外ノマドワークをはじめました。

まずは、日本に近くて食事も合いそうなアジアの国から。去年の秋にはヨーロッパも回ったので、旅をした国はもう35カ国ちかくになっています。

あえて生活を不安定にするためのノマドワーク

ヨーロッパ周遊中、ルーマニア・ティミショアラの勝利広場にて

ヨーロッパ周遊中、ルーマニア・ティミショアラの勝利広場にて

実は僕、超インドアなんです。海外にいても1日中室内にいる。パソコンをいじってるか、本を読むかです。旅を通じてたくさんの人と知り合いたいとか、観光をしたいとか、そういうのはあんまりない。

旅生活では、毎日住む場所や食べるものを決めなきゃいけないし、言葉は通じないし……。しんどい方が大きいかもしれません。

単純に食が合わないとか、Wi-Fiが弱くて困るっていうこともあります。Wi-Fiが弱いだけで国ごと嫌いになりますからね、僕(笑)

それでも旅を続けるのは、環境を安定させたくないからです。同じ場所にずっといると、慣れてダラダラしちゃうから。

僕の祖父も父も、自営業の商売人でした。常に「休むな!」っていう感じで。父はとくに仕事人間で、成長モンスターでしたね。朝早く起きて夜まで仕事して、そこからランニングしたり本を読んだりするんです。

そういう父を見ていたから、安定していると不安になるのかもしれません。

毎日一部が不安定だと、気が引き締まるんです。少し不便なくらいが、「生きてる」って感じがしてちょうどいいと思っています。

僕は落ち着きのない性格なので、同じ場所で同じことをし続けるのがイヤっていうのもありますね。

旅しながら生活する経済事情

インドネシア・バリ島のコワーキングスペース『Legian』での作業風景

インドネシア・バリ島のコワーキングスペース『Legian』での作業風景

去年は収入が月20万円くらいで、今年になってからは少し上がりました。仕事内容の比率でいうと、ブログのアフィリエイト収入が7、エンジニアの収入が3です。

平均の支出は、月12、13万円くらいですね。移動する場所と値段によっても結構変わるんですけど。

たくさん稼いでるわけではありませんが、トントンか、ちょっとプラスになるくらいの生活にはなっています。

エンジニアの仕事はたいていSNS経由でいただいているので、海外でも仕事はできます。でも6月になってからは、エンジニアの仕事はほとんどやっていません。

エンジニアって、ドラマ『逃げ恥』のイメージで、コードを書いていればいいと思ってたんです。でも実際はスキルは道具でしかなくて、コミュニケーション能力が大切でした。

海外にいると会って打ち合わせができないから、クライアントの方と小さな認識ちがいがあったり、チャットでのやりとりだとわかりあえない部分があったり……。

僕はコミュニケーション能力が高いわけじゃないから、エンジニアは向いてないのかなぁ、と思うようになりました。

だからいまは、ブログで収益を上げることをメインに、ブログを教えるほうにも力を入れようと思っています。

未来のことはわからない。でも、前に進みたい

スペイン・バレンシアのスペイン語学校にて授業終わりに

スペイン・バレンシアのスペイン語学校にて授業終わりに

この旅生活は、30歳前には終わるつもりです。その後は日本に住むか海外に住むか……。どっちも、あまりイメージできません。

ギリギリイメージできるのは、3拠点生活しながらフリーランスで働くことかな。定住すると、怠けてくさっちゃうと思うから。

会社員になったら、「来月からスペインに行きたい」「今月は語学をやるぞ」と思っても、なかなかできないですよね。気分で働けないので、会社員になることはないと思います。

仕事にしろ語学にしろ、なにかしら自己投資して前に進んでいないと怖いんです。でもやりたいことが多くて、なにをどうすべきなのか、まだ自分のなかで整理できてなくて。

インタビューしてもらってるのにこんな感じの答えしかなくて、本当に申し訳ないんですけど(笑)

僕、未来のことを考えるのがヘタなんです。目先の興味で動くから、5年後、10年後のことをあまり考えられない。とりあえず今の生活を楽しんで……という感じです。

あと、語学に興味があるので、もっと中国語とスペイン語を勉強したいです。去年は、1カ月の短期留学を3回しました。セブ島と、インドと、スペインで。来月に行く予定のグアテマラでも、語学学校に通おうと思っています。

未来のことはまだわかりません。それでも前に進めるように、目の前にあることをひとつひとつこなしていこうと思っています。

――ありがとうございました!

お話を伺った方:テツヤマモトさん
ブログ→https://www.yamamototetsu.com/
詳しいプロフィール→https://www.yamamototetsu.com/profile
twitter→https://twitter.com/okapo192

提供:nomad journal

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