ダマされた…。転職で「期待外れ」にならないための情報収集の3つのツボ (2018/5/31 瓦版)
転職で入社後ギャップが発生するのはなぜなのか
昨今は退職を「卒業」と表現するなど、円満に次のステップへ進むビジネスパーソンも増えている。それだけに、せっかく選んだ新たな職場が「期待外れ」だとガッカリだ。やりたいこと、労働環境など、下調べでは相性抜群のハズが、入社してみると「話が違う…」。こんなことにならいためにも、情報を見る目はしっかりと磨いておく必要がある。
エン・ジャパンの調査では、入社後にマイナスのギャップを感じた転職者は23.3%。4人に一人が、「期待外れ」を計算だ。そう感じる要素として大きいのは、「昇給・賞与」「社員のクオリティ」「給与・年収」となっている。
ここだけをみると、転職にあたって、転職者は基本、昇給を望む傾向があることが分かる。<転職で報酬アップだ>、と新天地を選んだものの、実際にはボーナスはなく、ヌカ喜び。そんなケースが多いのかもしれない。転職情報の項目には、年収や賞与の有無は記載されているので、それをあてにして転職した人にとっては当然「話が違う」となる。
転職活動をスマートに実践する3つのポイント
では、記載されていることが額面通りでないとすると、どうやって情報を解読すべきなのか。報酬に関するものなら、簡単な方法は財務状況を確認することだ。上場している企業なら、情報はいくらでもある。それに転職情報をしっかりとすり合わせ、判断すれば、少なくとも転職タイミングのボーナスの状況のある程度の予測はできるだろう。ベンチャー企業なら、面接時にストレートに質問するのが一番確実だ。
転職情報サイトに頼らないことも重要だ。そうしたサイトは、企業からお金をもらって情報を掲載している場合がほとんど。当然、悪い情報は遠ざけられる。逆に、楽しそうに働く社員やカフェのような談話室などが、プロの撮影でさらに見栄えよく掲載されていたりする。エン・ジャパンの調査でギャップが大きかったとする転職サービスのひとつに「求人情報が具体的で詳しくわかりやすい」が入っていることは、皮肉にもそのことを証明しているといえるだろう。
上記に関連し、調査対象にリアルを入れることも検討すべきだ。転職者なら、社会人経験のある人間とのそれなりのネットワークはあるだろう。取引先の人にさりげなく情報をもらうのもいいかもしれない。自分が転職を検討する業界、できれば企業の情報を収集し、その上で、転職情報サイトとすり合わせてみる。そこに大きなギャップがあるようなら、それは入社後にあなたが感じる印象そのものの可能性は高い。
昨今は人手不足で、各企業が特に優秀人材の確保に躍起になっている。転職情報サイトの情報も多少盛り気味になっても仕方がない。それくらいの感覚で転職情報は参考程度にし、転職活動に臨むのが賢明だろう。リファラル採用も増えている。副業採用もある。お試し入社というシステムを導入して企業もある。ミスマッチしない転職を実現する選択肢はどんどん増えている。転職者は、そうしたものを積極活用することが、「話が違う」を最小化する上でのキモとなりそうだ。
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