ミドル社員の8割が経営者に不満。忖度なしのその手厳しい理由とは (2018/4/27 瓦版)
ミドル社員が忖度なしで回答した衝撃の結果
不満足。エン・ジャパンが同社が運営する転職サイト「ミドルの転職」上で、サイト利用者の35歳以上のユーザーを対象に「理想の経営者」についてアンケートを実施(n=1,292人)。その結果、約8割が現経営者に満足していないという結果となった。
「現在の職場の経営者に満足していますか?」。この質問に対し、満足していると回答したのはわずか19%に留まった。ネット上でのアンケートで、ごますり、忖度なしなのだろうが、それにしても81%が満足していないとは手厳しい…。
その理由はなんなのだろうか。直接的な質問ではないが、「残念な経営者の特徴は?」から、類推してみよう。1位は「会社を導く理念・ビジョンがない」(45%)、次いで「言っていることとやっていることが矛盾している」(35%)となった。ここからみえてくるのは、地に足がつかず、行き当たりばったりであることが、「不満」の理由といえそうだ。
かつての成功ノウハウが通用せず、業種を超えて競合が出てくる混沌の時代。経営者にとって、結果を出す以前に、戦略を立てることさえ難しい。そんな中で、「理念がない」「行き当たりばったり」といわれるのは酷だが、それがトップの宿命ということだろう。
経営者に求めるのは「会社を導く理念・ビジョン」
では逆にミドル社員は経営者に何を求めるのか。トップは「会社を導く理念・ビジョン」(59%)、2位が「実行力」(31%)、3位「本質を見抜く力」(26%)、4位「戦略性」(25%)となった。きれいに不満の裏返しのような結果となったが、ミドル社員は、経営者に対し、明確なビジョンと地に足をつけた実行力を期待しているようだ。
アンケートでは、理想の経営者についても聞いている。トップ5は、1位は松下幸之助、2位 孫正義、3位 本田宗一郎、4位 稲盛和夫、5位 柳井正となった。そうそうたる顔ぶれとなったが、対象がミドルとあって、昔はよかった的なやや保守的な印象も受ける。
とはいえ、アンケート結果からは、働き方改革と売り上げキープの狭間で職場が水面下でうごめいている様子が感じられ、ある意味で生々しさがある。経営トップへの不満の多さは、好意的に解釈すれば、まだまだ現場に変革への意欲がある表れともとれる。そうしたエネルギーが、現状打破へとつながってくれば、久しく続く閉塞感から脱し、新しい時代の扉をこじ開けられるのかもしれない。
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