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箱根町の別荘地で民泊の営業を規制へ 神奈川県が条例案を提出 (2018/2/11 Airstair

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神奈川県は2月9日、箱根町の別荘地で一定期間民泊を認めない条例案を県議会定例会に提出した。同町は著名人の別荘が多く、平穏な住環境を維持するのが目的。6月15日に施行する住宅宿泊事業法(民泊新法)を見据えた動きを加速する。

条例で民泊を規制するのは、町内の約2割にあたる全18地区。県などによると、同地区の住宅の8割が別荘だという。

箱根

条例案では、別荘の利用者が多い3月1日~6月1日と8月1日~9月1日、10月1日~12月1日の半年の民泊営業を「住宅宿泊事業を実施してはならない期間」として制限する。この期間以外での住宅宿泊事業の営業は行うことはできるものの、一般的には閑散期といわれるシーズンが多く含まれることから事業性が見込めるかは未知数だ。

県保健福祉局によると、箱根町の一部を条例で規制するのは、県内の他地区よりも民泊による生活環境の悪化が予想されるため、としているからだ。

県が条例で民泊を規制するのは27市町村中、箱根町の1自治体のみとなる。横浜や川崎、相模原などの3政令市、横須賀、藤沢、茅ケ崎の3中核市は単独で条例を制定できるため除く。

県では今回の条例案作成にあたり、管轄する27市町村に対して聞き取り調査を実施。9市町から意見があったが、ほとんどが規制の対象範囲が広い「全域規制」的なもので、合理的な理由がないと判断して見送った。

6月に施行する民泊新法を控え、多くの事業者が民泊事業へ参入することが見込まれる。政府では「全域規制」「通年営業禁止」など、事実上の民泊禁止にあたる民泊新法に反するような過度な規制をしないよう、2017年12月に対象自治体にガイドラインを通達している。

箱根町と同じ別荘地として有名な長野県軽井沢町は、町が全域で民泊禁止を表明している。しかし、法的な強制力はなく、長野県条例でも政府のガイドラインを順守し、過度な規制にあたると判断して現状で認めていない。

神奈川県では今回、管轄する自治体の中で唯一、箱根町の一部を民泊条例で規制。広範囲にわたって民泊利用を促進させることが狙いだ。ただし、今後は住民の生活環境悪化などが起きた場合、あらためて民泊条例を制定することも検討するという。

提供:Airstair

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