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日本の教育の問題~学習到達度調査(PISA)から見える課題 (2017/9/8 Business Nomad Journal

関連ワード : 子ども 教育 

コンピュータの発展、さらに人工知能がこれからますます発展する中で、大きな改革が必要な分野は教育です。しかし、教育の改革の方向性を考えるためには、まず日本の教育の現状がどうなっているのか理解しておく必要があります。

今回は2015年に行われた学習到達度調査(PISA)での日本の評価と今後の対策について紹介します。

女子高生

学習到達度調査(PISA)とは?

そもそも学習到達度調査(PISA)とはどのような調査がご存知でしょうか。このテストは

  • OECD(経済協力開発機構)加盟国を中心
  • 2000年から3年ごと
  • 日本では義務教育を終えた高校1年生を対象

に行われています。「読解力」「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」の3分野に対し、選択式と記述式で構成されるテストで受験者平均が500点、標準偏差が100点になるように換算されます。

直近では、2015年72か国54万人を対象に実施され、日本は約6600人が受験しました。

2015年度におけるPISAの国別ランキング~日本の順位は?~

2015年の日本の順位は「科学的リテラシー」が2位、「数学的リテラシー」は5位、「読解力」は8位でした。「科学的リテラシー」は前回4位、「数学的リテラシー」は前回7位と前回に比べると順位を上げましたが、「読解力」は前回4位だったので順位が下がりました

3分野における上位の国は以下の通りです。アジア各国が上位に入ってきているのが分かります。

科学的リテラシーの国別ランキング
1位 シンガポール
2位 日本
3位 エストニア
4位 台湾
5位 フィンランド

数学的リテラシーの国別ランキング
1位 シンガポール
2位 香港
3位 マカオ
4位 台湾
5位 日本

読解力の国別ランキング
1位 シンガポール
2位 香港
3位 カナダ
4位 フィンランド
5位 アイルランド
6位 エストニア
7位 韓国
8位 日本
9位 ノルウェー
10位 ニュージーランド

「読解力」の順位が前回より4位ランクダウンした原因は?

2012年までは改善されてきたはずの「読解力」の順位

「読解力」の順位の変動を見てみましょう。「読解力」の過去の順位推移は以下の通りになっています。

2000年:8位
2003年:14位
2006年:15位
2009年:8位
2012年:4位

2000年から2006年にかけての大幅な順位下落は「ゆとり教育」の影響ではないかと言われ、「読解力」の改善に力を入れ、2009年には8位、2012年には4位と改善されました。

そうした中での今回の順位。いったい何が原因なのでしょうか。

前回の4位から2015年の8位に下がった二つの理由

考えられる理由の一つ目としては、テスト方式の変更が挙げられています。文部科学省としてはコンピュータで行うテストに不慣れであったことを原因として挙げており、コンピュータを活用した指導に力を入れるべきだとしています。確かにテストの方式が変わったので、単純に前回の順位と比較できないとも言われています。

二つ目としては、根本的な語彙力の低下にあると思います。語彙力や読解力の低下は以前からも指摘されており、改善すべき項目であることは間違いありません。

文部科学省が掲げた対策

松野文部科学大臣のコメントでは

  • 学習指導要領の改定による子供たちの資質・能力を育成する教育の実現や国語教育の充実
  • 「読解力向上に向けた対応策」に基づく学習の基盤となる言語能力・情報活用能力の育成

などを挙げ、児童の学力向上を目指すとしています。

今の日本の教育のどこが問題?

文科省が指摘したようにコンピュータテストに対する不慣れを改善するために、コンピュータを活用した教育を実践すべきというのは理解できます。コンピュータ上の複数の画面の情報を整理したり、その関係性を考えたりすることができていないというのがその理由ですが、コンピュータやタブレットを教育に導入するだけで良いわけではありません。

前述したように、以前から語彙力の低下や読解力の低下が指摘されているからです。特に読書量の低下は特に指摘されており、長文を読む機会が減っているのは確かです。実際に平成25年に文化庁が全国16歳以上の男女に行った調査によれば

  • 1か月に本を1冊も読まないと回答したのは47.5%
  • 読書量が減っていると答えた人も65.1%

とかなり高い数字になっています。

読解力をつけるために必要なこととは?

では読解力はどのように付ければよいのでしょうか。

松野文部科学大臣は「読解力向上に向けた対応策」を実施するとしていますが、多くがICTの活用をうたっているだけで、読解力向上の道筋が見えず不十分と言わざるを得ません。

読解力を上げるためには言葉を知ることがまず挙げられます。分からない言葉は辞書で調べる習慣をつける必要があります。教室で小学生を教えていると、辞書をほとんど引きません。辞書に付箋を貼るなど工夫して楽しく辞書を引かせるべきです。

その上で、文章をしっかりと読むこと。論理的文章であれば筆者の主張に線を引きます。そして要約をしていくべきです。文章を読んだ上で、それをまとめて書くという要約作業。この作業をくり返し行うことで読解力は飛躍的に上がります。

読解力をつけるためのステップまとめ

以上をまとめると次のようなステップになります。

  • 言葉を知る
  • わからない言葉を辞書で調べる習慣をつける
  • 辞書に付箋を貼るなど楽しくなる工夫をする
  • 筆者の主張に線を引くなどしながらしっかり文章を読む
  • 要約する

特に要約はほとんど学校で教わりません。読解力を上げるために、家庭だけで要約をさせるのではなく、学校でも日常的に要約をしていくことが必要です。

まとめ

AIが教育の現場に入ってくる中で、AIができないとされる読解力を身につける事はとても大切です。読解力を身につけるためには、単にコンピュータやタブレットを授業に取り入れるだけではダメです。この記事で紹介している読解力をつける方法を行って、読解力をつける努力をしていきましょう

提供:Business Nomad Journal

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