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子どもに今必要な「未来を生き抜く学び」とは (2017/8/2 JIJICO

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激変が予測される子どもたちを取り巻く環境

グローバル化の波を踏まえた2020年から始まる大学の入試改革、AIの進化が急激に起こると予測される2045年のシンギュラリィティなど、子ども達の将来を取り巻く環境は、私達が経験してきた時代の流れとは大きく変わることが予想されます。

その為に、子どもに今必要な「未来を生き抜く学び」について考えてみましょう。

女の子

偏差値の高い大学に入れば将来が約束された時代は終焉を迎えることに

文科省は学力の3要素として、『知識・技能』『思考力・判断力・表現力』『主体性・多様性・協働性』を掲げています。

今の子ども達の親世代では、主に3要素のうちの『知識・技能』だけに重点が置かれ、試験の点数を重視し、偏差値の高い大学の入学試験に合格さえすれば、将来の見通しがある程度たちました。

20世紀の日本は、時代そのものが高度成長期であり、時代の波に乗れさえすれば誰でもある程度の成功は得られました。「試験に合格すれば人生の成功が約束されていた」と言っても過言ではないでしょう。

しかし、21世紀になると、現在の親世代においてすらこの「神話」は崩壊しつつあります。折角一流企業に就職しても倒産やリストラ、再就職しようとしても、就職先すら思うように見つからない現実に直面し、親世代の常識で子育てして良いものかと悩むようになった子育て世代も見受けられるようになりました。

では、21世紀を生き抜く子ども達にとって、必要な「学び」とはどの様なものでしょう。

今の子どもたちに必要とされる学力

21世紀型教育では、価値観がある程度一定していた20世紀型の「正解を求める教育」から、価値観の多様性を前提にした「正解のない問題を解決していく教育」へと移行していきます。

そこで重要になってくるのは3要素のうちの『主体性・多様性・協働性』です。ここで勘違いをして欲しくないのは、子ども達に求められているのは、単なる思い付きの解決策、裏打ちのない自分勝手な主張、仲間と仲良く行動できれば良いと言った薄っぺらな能力ではないということです。

これからの時代を生き抜くには、『知識・技能』の習得だけではなく『思考力・判断力・表現力』が今以上に強く求められます。しかも、この二つの要素を土台とした『主体性・多様性・協働性』を通して「正解のない問題」を具体的に解決していく能力が要求されているのです。

その上、グローバル社会では、他の国や他の文化の人と協働して課題を解決していくことが求められます。そのためには、知識・技能だけではない「考える力」に裏打ちされたコミュニケーション能力も必要とされるのです。

今までは、読み方・書き方・計算の仕方が土台にあり、その上で知識の獲得の仕方を身につければ、後は処理能力さえ上げていけばよかったのですが、今後は、読む力・書く力・計算する力を土台にした「自分で考える力」を身につけ、いろいろな場面でトライ・アンド・エラーを繰り返し、正解のない問題を具体的に解決していく力を養う為の体験的・実践的な「学び」が必要になってきます。

また、価値観の多様性を理解しあったコミュニケーション能力の「学び」も必要となるでしょう。

「未来を生き抜く学び」とは?

子ども達に今必要な「未来を生き抜く学び」は、「アクティブ・ラーニングや協働的な学びが必要だ」という方向で改革が進んでいます。

しかし、これといった方法論が確立されてはいない教育の現場からの受け身の学習を通して、将来の自分の姿を描くといった従来の学習方法・姿勢の上にはありません。

将来自分が何をしたいか、そこではどんなことが自分に出来るのか、そして、その為には今、目の前にある何を学ばなければならないのかを自分で考えることが出来る思考力・判断力を身につけること。

また、失敗を恐れないたくましさを身につける事に役立つ様々なトライ・アンド・エラーをする表現力・行動力や、どんなことでも自分から主体的かつ積極的に学ぶ姿勢を身につける為の学びのことを「未来を生き抜く学び」というのではないでしょうか。

言いかえれば、「未来を生き抜く学び」とは、学校現場からの受動的な学びの姿勢から、失敗を恐れず自分から能動的に学ぶ為の学習態度・学びの姿勢への転換と言えるのではないでしょうか。

提供:JIJICO

著者プロフィール
栢原 義則/進学塾塾長

栢原 義則/進学塾塾長
医歯薬&国立大学合格の為、自分で考え抜く学力を鍛える専門家
小学低学年の教育に重点を置き、独自の指導方法で「自分で考え」「試行錯誤する」学習習慣を育てる。京大医学部を含め国立・有名私大に合格実績を持つ。教育歴37年、教育コンサルタントとして講演活動も行う。

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