企業、求職者双方にとってベストなマッチングを実現するには?  |  政治・選挙プラットフォーム【政治山】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
トップ    >   記事    >   企業、求職者双方にとってベストなマッチングを実現するには?

企業、求職者双方にとってベストなマッチングを実現するには? (2017/8/29 JIJICO

関連ワード : 労働・雇用 

新卒離職の七五三現象

新卒で就職した人のうち、中卒の7割、高卒の5割、大卒の3割が3年以内に離職してしまうという七五三現象が、以前から指摘されています。困難を乗り越え、就職活動を制して、せっかく手にしたはずの就職先ですが、なぜ離職してしまうのでしょうか。

離職の理由の上位には「仕事が合わない」「人間関係」が上がりますが、その原因は、どうやら「就職活動の後悔」にもあるようです。

就活

就活を後悔している人のうち、約8割が入社3年以内のうちに転職を検討

総合人材サービス大手パーソルキャリア社の「就活に関する意識調査」の結果によると、社会人10年目までの約4割(38.0%)が、就職活動を後悔しています。また、入社3年を経た2014年入社社員を対象にした調査によると、就職活動を後悔している人の約8割(79.7%)が入社3年以内に転職を考えています。さらに、そのうちの2人に1人(50.9%)が実際に転職を経験していることがわかりました。

就職活動を後悔していない人では、その数字が4人に1人(26.1%)ですから、両者の差は明らかです。

後悔の理由の上位は?

この調査では、就活時代に企業研究でやっておけばよかったと後悔していることも明らかになっています。第1位「10年後の自分を見据えて業界を選んだ(32.1%)」、第2位「たくさんの人から話をきいた(30.2%)」、第3位「興味がある業界だけでなく、興味がない業界にも広げて分析した(26.5%)」です。

若手社員が不満を抱えながら働いている現状は、企業にとっても、働く人にとっても不幸なことです。これまでの内定をゴールとした就職活動から、将来のキャリア形成を見据えた就職活動へ抜本的に変えていく必要があります。

インターネット全盛の今だからこそ、重要になるリアルな経験

就活時代の企業研究において、「実際にやっていたこと」と「やっておけばよかったこと」の比較で、もっとも差が大きいのは「実際に働いている人の話を聞く」でした。逆に差が小さいのは「就活サイトの閲覧した」や「合同会社説明会に参加した」でした。

この10年で普及したものの一つに、スマートフォンがあります。いつでも、どこでも就職活動ができるようになった反面、表面的な情報に偏ることなく判断するためには、実際に働いている先輩や友人・知人に会って話して生の声を聞くことも有効な情報源になります。

企業、求職者がベストなマッチングをするには?

企業、求職者双方がベストなマッチングをするためには、エントリーシートの書き方や、面接テクニックの習得に重きを置いた、これまでのマニュアルどおりの就職活動では限界があります。

これからは、将来のキャリア形成を考えて就職活動できるために、求職者が自己理解や仕事理解を深めて就職活動に取り組むことが大切です。

自己理解を深めるためのポイントとして、
・やりたいこと(興味)
・できること(能力)
・大切にしたいこと(価値観)
が挙げられます。

やりたいことができて、給料もたくさんもらえて、時間も自由になる、そんな都合の良い条件はなかなかありませんが、反面、どんなに大変な困難でも、本当に自分がやりたいことなら苦を感じることなく乗り越えられることもあります。譲れない大切なことを大切にしながら、バランスを取ったり、折り合いを付けたりできるために、まず自分自身の理解を深めることが大切です。

また、その企業の求人が、自分にとって本当はどんな仕事なのか良く理解しておくことも、ミスマッチを防ぐためには重要です。仕事や役割の内容を知るだけでなく、その仕事を通じて自分がどのようなやりがいや醍醐味を感じることができるのか、5年後・10年後にはどのように活躍していたいのかイメージしてみましょう。

多くの時間と労力を費やして取り組む就職活動です。出会いたい企業に出会えるための準備をして臨みましょう。

提供:JIJICO

著者プロフィール
折山 旭/ライフキャリアカウンセラー

折山 旭/ライフキャリアカウンセラー
コミュニケーションを通じて人を大切にできる人財と組織づくり
カウンセリング・キャリアコンサルティング・コーチング・人事労務コンサルティングの4つの「C」で、ライフキャリアとコミュニケーションの開発を通じて、働く人と組織の問題解決・課題達成をサポート。

関連ワード : 労働・雇用