子育て家族に選ばれる街を目指す群馬県前橋市 (2017/4/19 nezas)
人口減少や流出などに悩む日本の都市が多い中、ここ数年、育児支援や教育事業で注目を集めているのが、群馬県前橋市です。若年層への就労支援なども含めた横断的な街づくりを行っている、前橋市の魅力とはどのようなものがあるのでしょうか。
自然、歴史に恵まれた子育ての街・前橋市の魅力
前橋市は、古くは上野国(こうずけのくに)の国府が置かれ歴史の中心地として栄えてきた、関東有数の歴史遺産を誇る都市です。人口およそ34万人、東京からも1時間圏内で、商業、農業、工業の3つの生産バランスがよい中核市として発展を続けています。
最近では子育てや医療関係など、福祉分野にも力を入れています。県内有数の約300の病院を有し、市民10万人あたりの施設数が86となっています。全国平均の67を大きく上回っており恵まれた環境といえます。前橋市の支援の内容としては、子どもは中学を卒業するまで医療費は実質無料、国民健康保険に加入している対象者は特定健診やがんなどの健診が無料になるなど、医療補助制度が非常に充実しています。
さらには「待機児童ゼロ」を早くから目指している街でもあり、さまざまな取り組みで子育て世代をサポートしています。
こういった取り組み以外にも、ブランド品として市全体で生産を進める豚肉などの畜産物や、薔薇の栽培に力を入れて観光地化するなど、特産物にも恵まれています。
結婚・子育てをサポート 「前橋みらい家族会議」とは?
前橋市では、官民が連携して「前橋みらい家族ラボ」を発足させ、結婚や子育てなどに関するさまざまな情報の発信、イベントなどを展開しています。
これは、地域・社会が抱えるさまざまな課題解決のためのモノ、サービス、場、仕組みづくりなどのソーシャルデザインに取り組む集団「issue+design」が、前橋市と連携して立ち上げた活動です。
「社会の課題に、市民の創造力を」を合言葉に、2016年10月にイベント第1弾「前橋みらい家族会議」を開催しました。「若者の結婚・出産・子育ての希望をかなえるためには」などのテーマで、若い世代の男女の婚活サポートや、新しい出会いにつながる学び・活動の場の創出、子育て支援の風土づくりなどについて、ワークショップ形式で市民や参加者が考えるものです。
若い世代の定着に必要な雇用の確保を目的に、若年世代や育児中の女性の就職支援・定着化を総合的に担っていく拠点として『ジョブセンターまえばし(仮称)』を設置する構想が発表されました。また、市内の大学生やU・I・Jターンの希望者への就労支援など、幅広い方面で住みやすい街を目指す構想などについて、意見交換が行われました。
子育て家族に選ばれる街を目指す
前橋市は、「子どもの最善の利益が実現するまち」を基本理念としており、安心して出産・子育てができる環境づくりを街づくりの柱としています。数年来、幼児期の教育・保育、地域の子育て支援の拡充や質の向上を進めているのです。
例えば、地域のニーズに応じた子育て支援をする場の提供するため「教育・保育提供区域」として6つの区域に分けました。それぞれの地理的条件や交通状況、人口を考慮したうえで、地域ごとに必要な施設の拡充を進めています。
また、教育・保育施設の拡充だけでなく、子どもがいる親たちの職場環境の改善にも積極的に取り組んでいます。共働き世帯の増加にともない、事業主や企業に対する両立支援啓発などを行っています。
前橋市は1996年以降、「児童育成健全計画」や「次世代育成支援行動計画」など、さまざまな育児支援の計画をベースにして、子どもやその家族が安心して生活できる街づくりを進めています。今後の活動にも注目です。
提供:nezas
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