「女子力」をめぐる議論と「ガールパワー」の真の意味。 (2017/2/1 Girl Power Insight)
アンケートから見えてくる「女子力ってなに?」
こんなものを見つけた。
今、朝日新聞デジタルで、女子力についてのアンケートが行われているのだ。
「女子力」って?/http://www.asahi.com/opinion/forum/039/
[募集期間]2016年12月26日~1月24日14時
「女子力」の正体/http://www.asahi.com/opinion/forum/040/
[募集期間]2017年1月25日~2月14日14時
アンケート結果を見てみると、まだまだ多くの意見の中に、封建的な時代に社会的役割として女性に求められていた、家事力のようなものが女子力だと思われていたり、ただ外見を飾り立てる能力が女子力だと思われていることが見受けられた。賛同も反対意見も、いずれにしてもそれらが前提であることからなかなか離れられないように見えて、真の女子力の啓蒙の必要性を感じた次第だ。それで、せっかくなので、私なりに、当サイトを運営しているガールパワーのコアメンバーとして、女子力について書いてみたいと思う。
女子力はプロ彼女とは違う
ガールパワーは、欧米では、少女同士の結束や女性の独立独歩の態度などを表す言葉として認識されている。それは、1996年にデビューし世界を席巻した、イギリスのスパイス・ガールズという5人組のグループが、そんなキャッチフレーズを使っていたからだ。
ここガールパワーでは、女子力という言葉は、それらをさらにアグレッシブに発展させた形で使われている。だから、女子力というのは、そもそも、飲み会でのサラダの取り分けが上手であるとか、そういうプロ彼女的な意味では決してないのだ。
大人だからこその女子
大人の女性なのに女子という言葉を使うあたりに違和感を覚える人もいるようだが、私はこう考える。第二次成長期前までの女子は、純度が高く強い。男子の方が体も小さく怖くない。女性ホルモンによる体調の変化もない。「男子~!ちゃんと掃除して!」に見て取れるように、その優秀さを惜しげもなく発揮出来る時期にあるのが女子だ。そのような、自分に素直でいられた頃の純粋さに、大人の成熟度が合体したものが、女子力であると思うのだ。本物の女子に対して女の子のようなと言う形容詞は成り立たない。大人の女性に使うからこそ、その言葉は活きてくる。子どものように目をキラキラさせてワクワクしながら、大人の経験値でもって、着実に自分の幸せを構築していくパワー。つまり、年齢を重ねるごとに増していくものこそ、ガールパワーなのだ。
これからは女子力が時代を創る
女子力というのは、大きく分けると、横軸と縦軸の二つの視点があるように思う。横軸は、歴史的観点における立場。縦軸は、女性という人間としての普遍的な能力の評価だ。
好む好まざるに関わらず、女の子というだけで幼いころから良妻賢母になるように育てられるしかなかった時代から、ようやく、自分の人生の選択の自由を謳歌する時代に突入した感のある今、ジェンダーによる不利益を被ることにはっきりとNOを突き付け、尊厳としての自由度を広げていこうという動きが、世界的に見れば決して早くはないスピードながらも、日本に広まりつつあるところなのだと思う。そしてそんな流れの中、今まで我慢の中に隠していた能力を表に出し、自分の人生に責任を持つべく、女子力を発揮し始めた女性が増えてきているように思う。
細胞から読み取るジェンダー
ところで、女性である前に一人の人間である、という言い回しを世間でよく見かける。一見正論に見える。しかし、女性であれ男性であれLGBTQであれ、性的な個性を切り離して個を語ることには無理があるように思う。そういう考え自体が、女性であることの尊厳を軽く見た危うさを含んでいないだろうか。ジェンダー的弱者として認めてしまってはいやしないだろうか。その言い回しから、まるで女性であることより、人間であることの方が格上であるように感じるのは、私だけだろうか。女性だからという理由で虐げられたりするからといって、女性らしさを無くす必要は無いはずだ。どんなに女性らしかろうがそうでなかろうが、そういうことに関わらず、一人の女性として、男性として、LGBTQとして、尊重されるべきではないだろうか。故に、ジェンダーとしての特性を一つの指標として真摯に受け止めることは、むしろ必要なことだと思うのだ。
そんな観点に立って女性らしさや男性らしさを観るとき、私は、それぞれを卵子と精子として観る方法を用いている。これは、間違いが少ないように思うし、お互いの理解度も深まると考えているからだ。
例えば、男性は元々、勝つことが全てであって、故に、競争せずにはいられないことがわかる。だから、コミュニケーション能力は、他者の弱点を見つけ、自分が勝ち抜くために発揮される。戦いこそが自分が生き抜く方法であると本能的に感じるように出来ていることが想像できる。しかし、女性の場合は逆だ。女性の本質は命を育むところにある。コミュニケーション能力やその鋭い感性は、命を生かすために備わっている。したがって、争い事は好まない。平和こそが生き延びる方法であると本能的に感じているからだ。
平和を導く女子力
このことから観えてくることは、今の男性社会が競争社会として成長したとしたなら、女性が社会進出する世界は、平和社会として成長していくという可能性だ。
万が一、第三次世界大戦が勃発したなら、人類は滅びてしまうに違いない。そんな時代に、女子力が台頭してきたことは、偶然ではないのではないだろうか。
平和な未来に向かっていくときに欠かせないパワー、それがガールパワーでもある。
また、日本の女性の地位の確立は、世界的に見てみれば遅れをとっているかもしれないが、それは、日本の女子力が劣っているということとは言えない。和の精神を貴ぶ日本の女子力は、世界のガールパワーに影響を与え始めるに違いない。もったいない、おもてなしなど、もう、その片鱗は見え始めている。今度は、そこにおたがいさまを加えたいものだ。
日本の女子力は、世界を平和に導くポテンシャルを持っている。私はそう信じている。また、その使命を意識することで、日本の女子力は高められていくとも思っている。
- 著者プロフィール
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碧木マリア
【声楽家(国立音大卒)・マリア魔法合唱団主宰】【氣光ヒーラー・代表/ヒーリングサロン花氣光】【パーソナルトータルビューティーコーチ/Malila Brilliant Beauty Class】平和貢献活動を目的としたマリア魔法合唱団を主宰。個人としてもリサイタルを開いたりレッスンを展開するなど精力的に活動中。また、芸術家としての繊細な感性を活かし、悟りと氣を中心に見えない世界と見える世界のバランスを重視した生き方を提唱する女性のための「花氣光塾」を主宰。他に、独自のメソッドにより某世界三大ミスコンの日本代表育成に成功しパーソナルトータルビューティーコーチとしても活躍中。ガールパワーには設立時よりコアメンバーとして参加。
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