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幅広い視点でディスカッション「首都圏対流拠点シンポジウム」~さいたま市らしい発展で新たな絆の創出を (2017/2/3 クオリティ埼玉

 平成28年3月に策定された「首都圏広域地方計画」において、国は首都圏と東北圏、北陸圏および北海道の連携と融合をめざし、三大都市圏でのスーパー・メガリージョン機能の強化、ネットワークの結節点となる地域での対流拠点の整備などを進めている。

 その中で、「大宮」は東日本の玄関口機能を果たす重要な位置づけをされ、さいたま市は、「大宮駅グランドセントラルステーション化構想」や「東日本連携・創生フォーラム」など首都圏対流拠点を創出するプロジェクトを進め、高い評価を得ている。

 そこで、さいたま市に求められる役割や展望について、さまざまな視点から考えることを目的に、平成29年1月25日(水)にさいたま新都心にて、さいたま市主催「首都圏対流拠点シンポジウム」が開催された。

首都圏対流拠点シンポジウム

 第1部「地方創生回廊、スーパー・メガリージョン等の動向」では、国土交通省国土政策局長 藤井健氏が登壇。急激に進む人口減少・高齢化による諸問題は日本だけでなく、OECD(経済協力開発機構)全体にも関わる最大の問題であり、対処していかなくてはならない。都市機能を維持するには、小学校や旧役場庁舎の周辺に日常を支える機能を「コンパクト」に集積し、交通と情報通信による「ネットワーク」で周辺を支え、農業の6次産業化、バイオマスエネルギーの地産地消により「新たな雇用」を創出するといった、「コンパクト+ネットワーク」が必要だ。この「コンパクト+ネットワーク」で圏域を拡大することで多様性が連携を生み、自治体同士の交流が盛んになり、新たな発展へと繋がると、地方創生回廊について述べた。

 スーパー・メガリージョンの動向について、さいたま市の位置づけと果たす役割を説明した。リニア中央新幹線開通により、東京―大阪間の時間距離が大幅に圧縮し、国内各地への移動時間も短縮。名古屋からの4時間到達圏が東北や九州に拡がることで、自動車部品や電子部品などの新たな取引が生れる可能性がある。スーパー・メガリージョンにおいて、交通の結節点として東日本の中枢となるとともに、中日本・西日本の玄関口となり、スーパー・メガリージョン形成による効果を東日本に波及させる結節点としての役割があると述べた。

 第2部「対流拠点における新たな人の流れの創出」のパネルディスカッションでは、清水市長はじめ、都市計画、建築、観光、スポーツ文化など各方面からのパネリストが登壇。幅広い視点でディスカッションが繰り広げられた。

 抜群の広域交通アクセスを持つ交通の利便性のすばらしさ、国際的なスポーツイベントの誘致、世界盆栽大会、東京2020オリンピックといったスポーツ・文化などの国際イベントでの国際交流のチャンス、見沼たんぼから見える高層ビル群の都市と田園の同居といっためずらしい都市環境など、さいたま市ならではの強みがつぎつぎとあがった。

 こうした今現在ある資源、自然、文化、暮らしを壊さずに、国内海外問わず、成功事例を参考に全力でまちづくりをして、さいたま市だけでなく、東日本、日本全体の発展へと繋がることを期待。さいたま市が単なる通過点ではなく、人の流れを大宮に流れるように対流させて、まちの力となるようなまちづくりをしていくのが重要だとのまとめとなった。

 2時間と短時間の開催で、物足りなさを感じた。パネルディスカッションでは、各方面のもう少し深い視点でじっくりとディスカッションできたら、より具体的な役割や展望について示すことができたのではないだろうか。

 「大宮」は今後の発展には欠かせない大きな可能性を秘め、さいたま市が進めるプロジェクトは、国の将来を左右する大きなカギを握っているのは間違いない。さいたま市民のひとりとして、どのような発展をみせていくのか楽しみだ。

岡 アヤコ

提供:クオリティ埼玉

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