2017年、我が国のヘルスケアシステムの設計思想変革をテストする―塩崎厚労相 (2017/1/16 メディ・ウォッチ)
2017年は、我が国のヘルスケアシステムの設計思想(アーキテクチャ)変革に向けてテストを行っていく年である。また「地域医療構想の実現」や「薬価制度抜本改革の具体案策定」などの課題もあり、その中で病院の果たす役割は極めて大きい―。
四病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会)が13日に開いた2017年の賀詞交歓会で、塩崎恭久厚生労働大臣はこのように祝辞を述べました。
2017年には、薬価制度抜本改革や地域医療構想の具体化などの重要テーマも控える
塩崎厚労相は、「昨年(2016年)、伊勢志摩サミットが開催されたこともあり、我が国がグローバルヘルスにとって大きな役割を果たしていることが、世界中から注目された。今後、我が国のヘルスケアシステムは、設計思想(アーキテクチャ)を変えなければ持たない状況に来ている。今年は変革をテストする年になる」と指摘。その上で、「薬価制度を▼イノベーションの推進▼国民皆保険の維持▼医療の質の向上▼国民負担の減少―という4原則に基づいて抜本的に改革する」ことや(関連記事はこちらとこちら)、「医療、介護、予防のシステムを統合できるように改革していく(関連記事はこちら)」「地域医療構想を具体化していく」「地域包括ケアシステムの中と医療・介護改革を一体として考えていく」といったテーマに取り組んでいくために、病院の役割が大きいと強調しています。
同じく来賓として祝辞を述べた日本医師会の横倉義武会長は、「我が国が経済大国となった背景には、国民が安心して医療を受け、教育を受けられる体制があったからであろう。2017年も激動の時代となると考えられるが、こういうときにこそ安心して医療を受けられるように、国民皆保険を堅持していかなければいけない。そのためには、かかりつけ医制度の普及と、これをバックアップする入院医療が重要である」と指摘。さらに来年(2018年)が診療報酬・介護報酬の同時改定であることに触れ、「今年末の予算編成でしっかりと財源を確保してほしい」と塩崎厚労相をはじめとする国会議員らに要望しました。
また四病協代表として挨拶した山崎學・日精協会長は、「医療・介護保険を中長期的に一本化すべき」と「国が医薬品を買い上げ、まさに現物給付する仕組みとすべき」の、医療・介護抜本改革私案を披露しました。
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