カンボジア、気候変動が稲作へ影響、2030年までにコメ価格が倍増の見込み (2016/10/31 The Povertist)
カンボジアで気候変動の影響が顕在化しつつある。最近の調査によれば、カンボジアの稲作セクターは政府が気候変動に対応しない限り、最も悪影響を受けるセクターのようだ。
Hong/Furuyaが実施した調査によれば、コメ価格は2030年までに倍増する可能性がある。最悪のケースでは、1トンあたり1.52百万リエル(370ドル)の上昇が見込まれる。これは、昨年12月の価格水準(1トンあたり420ドル)の88%増にあたる。
カンボジア国民の主食はコメであることから、このようなコメ価格の急なインフレが生じると貧困層への影響が懸念される。
「貧困世帯は所得の60~80%を食費に費やしている。もしコメ価格が上昇すれば、貧困層の保健サービスや教育へのアクセスに悪影響が生じることは避けられない。対策としては、コメ価格の急上昇を予防する対策を政府がとること。」とHongは指摘する。
参照元:Climate change could cause rice prices to nearly double by 2030
-
Author: Ippei Tsuruga
The Povertist編集長。国際協力機構(JICA)を経て、国際労働機関(ILO)社会保障政策担当官。開発途上国の貧困問題と貧困層向け社会政策のスペシャリスト。
- 関連記事
- ミャンマーでコメ価格下落、カンボジアに続き
- ベトナムの最低賃金と税制改革、巨大なインフォーマル経済の影
- 「私を殺したらいい」インド女性が16年間のハンストに終止符…国境地帯の非情な現実
- 利害一致、お互いを必要とする日本とベトナム…対中国だけではない関係強化の背景
- フィリピン大統領とJICA理事長が面会へ、鉄道などインフラ案件への資金協力を議論