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「ブラックバイト」と言われないために――学生バイトの注意点 (2016/9/1 企業法務ナビ

関連ワード : 労働・雇用 法律 

はじめに

学生アルバイトの賃金や待遇について滋賀労働局に寄せられる相談が増えています。今年4~7月の相談件数は前年同期のほぼ2倍で推移しています。増加の背景には、近年、アルバイトの労働者の酷使が「ブラックバイト」として、社会問題化され注目され始めたことが考えられます。相談を基に、滋賀労働局が労働基準法などの法令違反で是正指導した事例では、賃金や労働時間に関する指導が多い結果となりました。

【学生の労働に関する相談件数】
・本年度4~7月の4カ月間:29件
・15年度同時期:15件(年間41件)
・14年度同時期:11件(年間34件)

タイムカード

「ブラックバイト」 具体例――こんなことが起きていませんか

法令違反で是正指導等が行われた主な事例

◆労働契約締結時
・学生バイト採用時に労働条件を書面で示していなかった
・労働条件の明示に漏れがあった

◆賃金関連
・作業ミスを理由に、学生バイトに反省を促すとして賃金の一部を支払わなかった
・高校生バイトの賃金が県の最低賃金を下回っていた
・残業代、深夜の割増賃金を支払わなかった
・一方的に賃金を引き下げた
・突然やめられ、人手不足で損害が生じたため、賃金を支払わなかった
・レジの不足金を分割して負担させた
・お店の皿を割ったため、罰金を支払わせた

◆その他
・必要な休憩時間を与えなかった
・年次有給休暇を与えなかった
・繁忙期であるなどの使用者側の事情で、何度も勝手にシフトを入れた
・労災の適用を否定した
・退職の希望が出されたが、退職させなかった

厚生労働省 京都労働局「 アルバイトのトラブルでお困りの学生の皆さんへ」
http://kyoto-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/banner/ka_150629.html
※学生向けのページですが、資料が端的にまとまっており、法務の業務を行う上でも参考になります。

ブラックバイトQ&A(PDFファイル)
http://kyoto-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/var/rev0/0123/1069/ka_160310.pdf

ブラックバイトユニオン 事例集 解決事例
http://blackarbeit-union.com/cases/settle/index.html

労働基準法上の規制

◆雇用の際の注意
学生であっても、書面による労働契約の締結は必須です。労働契約書には、以下の事項を明示することが義務付けられています。
(1)労働契約の期間
(2)就業の場所、従事すべき業務
(3)始業及び終業の時刻、残業の有無、休憩時間、休日、休暇
(4)賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の支払時期、昇給に関する事項
(5)退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

◆深夜業の禁止(労働基準法第61条)
原則:満18歳未満の年少者を深夜(午後10時から翌日午前5時まで)に使用することは禁止
例外:
(1)非常災害の場合
(2)満16歳以上の男性を、交代制によって使用する場合
(3)農林業、畜産業、養蚕業、水産業、保健衛生の事業、電話交換の業務で使用する場合

◆満18歳未満の者を就業させてはいけない業務(労働基準法第62条)
・重量物の取扱い業務
・運転中の機械等の掃除、検査、修理等の業務
・ボイラー、クレーン、2トン以上の大型トラック等の運転又は取扱いの業務
・深さが5メートル以上の地穴又は土砂崩壊のおそれのある場所における業務
・高さが5メートル以上で墜洛のおそれのある場所における業務
・足場の組立等の業務
・大型丸のこ盤又は大型帯のこ盤に木材を送給する業務
・感電の危険性が高い業務
・有害物又は危険物を取扱う業務
・著しく塵埃(じんあい)等を飛散する場所、又は有害物のガス、蒸気若しくは粉じん等を飛散する場所又は有害放射線に晒される場所における業務
・著しく高温若しくは低温な場所又は異常気圧の場所における業務
・酒席に侍する業務
・特珠の遊興的接客業(バー、キャバレー、クラブ等)における業務
・坑内における労働等

厚生労働省 滋賀労働局 高校生等を使用する事業主の皆さんへ
http://shiga-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/hourei_seido_tetsuzuki/roudoukijun_keiyaku/5.html

厚生労働省 茨城労働局 労働基準法のあらまし
http://ibaraki-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/kijun01_11.html

労働基準法
http://www.jil.go.jp/rodoqa/hourei/rodokijun/HO0049-S22.html

労働基準法施行規則
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22F03601000023.html

コメント

怒鳴る、殴る、罵倒する、といった事情がなくても、使用者側の都合により一方的にシフトを組んだり、退職に応じなかったりすることによっても労働基準法違反となり得ます。労働基準法違反は、刑事罰(六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金)の対象になることがあります。また、未払い賃金と同一額の付加金の支払が義務付けられます(労働基準法114条本文)。学生のバイトだからといって甘く見ず、きちんとした雇用の制度を適用しましょう。労働契約も軽視せず、記載すべき労働条件を明示した書面を交付する体制が構築されているか、再度確認してみると良いでしょう。

提供:企業法務ナビ

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