障害者施設で防犯訓練―秦野署呼びかけで実施 (2016/8/13 タウンニュース)
相模原市の津久井やまゆり園で発生した殺傷事件を受け、秦野警察署は市内にある知的障害者施設や障害者支援施設などに呼びかけを行い、職員を対象とした初の対応訓練を行っている。
これまで不審者の施設内への立ち入りについては幼稚園や小学校などを中心に対応訓練が行われていた。しかし今回の事件発生を受け、職員の防犯意識を高めようと、同署が市内8カ所の施設に呼びかけを実施。ロールプレイを含めた防犯訓練が行われることになったという。
8月2日には障害者支援施設である社会福祉法人常成福祉会「丹沢レジデンシャルホーム」(秦野市菩提・伊藤崇博センター長)で初めての訓練が行われた。当日は事務職員や介護職員など約30人が参加。最初にDVDを見ながら、不審者が施設内に侵入してきた場合の対処方法などを警察官の解説を受けながら学んだ。続いて、実際に警察官が不審者役となりロールプレイを実践。説得して施設から追い出し、警察へ通報するまでの流れを確認した。
伊藤センター長は「防災訓練は毎月実施していますが、防犯訓練は初めて。事件後は職員にもかなり不安があったと思います。訓練には熱心に参加していました」と話す。ロールプレイでは介護職という性質のためか相手を落ち着かせるような会話が交わされたが、全体的に不審者との距離が近く「刃物などの凶器を持っているかもしれない。十分に離れた状態で対処してほしい」という指摘もあったという。最後には護身術などを学び、積極的な質疑応答も交わされた。
「防犯に関する専門的なアドバイスもあり、とても参考になった。地元の駐在所との連携も密に取りながら、マニュアル作りをしていきたい」と伊藤センター長。秦野警察署では今後も市内の障害者の入所施設などで順次、同様の防犯訓練を実施していくという。
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