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年金改革法案を閣議決定 給付抑制を強化 (2016/4/4 JIJICO

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これからの年金はどうなる?

年金改革法案が閣議決定されました。今後は年金を支える若い世代に配慮し、支給額を抑える方向です。

年金

年金額は物価等の状況により、毎年改定されることになっています。2004年には「マクロ経済スライド」が導入されました。それまで物価や賃金が上がったら、年金額も同様に上がっていましたが、導入後は、「加入者の減少と平均寿命の延び」から算出された「調整率」によって、上昇率が1%程度低く抑えられることになりました。

調整率は、2025年まで平均0.9%の見込みです。例えば物価が2%上昇すると、年金の上昇率は「物価上昇率2%-調整率0.9%」で計算され1.1%となります。(実際は2015年のみ調整実施)

今回の改革案では、調整しなかった分は翌年度以降に繰り越し、物価上昇時にまとめて調整率が加算されるようになります。つまり、“物価上昇がなく年金額の調整がなかった年”の翌年に物価・賃金が2%アップしたら、年金の上昇率は「物価上昇率2%-調整率0.9%-前年の調整率0.9%」で計算され、0.2%となります。

なお、物価が下落した場合は、年金額は当然に引き下げられます。引下げの際には調整率等はありませんので、年金額は下がりやすく上がりにくくなり、結果年金給付額が抑制されます。ますます年金受給者の生活は厳しくなる、と言えるでしょう。

働く若い世代が減り続ける限り、年金給付の減少は避けられない

しかしながら年金給付を支える若い世代が減り、年金受給者が増えている現状では、若い世代の負担を考えると致し方ない面もあるかもしれません。

その他改革案には、「パートなど短時間労働者が厚生年金に加入する要件緩和」「国民年金に加入している女性の出産前後の4カ月間は保険料を免除」や、「財源として保険料月100円程度の引き上げ」等も盛り込まれています。

ただし、上記法案については、参院選を控え今国会での成立を見送る方針です。そして、選挙後には成立に向け動き出すことになるでしょう。

減る一方の年金にどう対処したらよいのか

将来的に受け取る年金額は減っていくことを受け止め、ある程度自分で老後資金を作っておかなくてはいけないでしょう。

「収入を上げ経費を下げる」ことができれば、手元に残る資金が大きくなりますが、個人でできる範囲には限りがあります。そこで「手持ちの資金をいかに増やすか」がポイントになってきます。

今注目されているのは、確定拠出年金です。企業型の他個人型もあるので、個人事業主など企業年金が無い方でも加入することができます。何より「掛け金は全額所得控除」という点が魅力です。その他「運用益が非課税」「年金受給時の税制優遇」等のメリットがあります。ただし、「途中解約ができない」「運用先によっては元本保証がない」というデメリットもありますので要注意です。

また、「不動産投資」「J-REIT(日本の不動産に投資するファンド)」は比較的安価で購入することが可能で、初心者の方にも人気です。国債等と比較して相対的に高い配当利回りになっています。またインフレリスクにも強いのも特徴です。

ただ、手持ち資金を増やしたいあまり、デメリットについてしっかりと認識しないと、反対に資金を減らしてしまう可能性もあります。お金に働いてもらうには、リスクがあることを忘れてはいけません。じっくりと検討してからスタートしてくださいね。

提供:JIJICO

著者プロフィール
佐々木 茂樹/ファイナンシャルプランナー佐々木 茂樹/ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルサービス株式会社
郵便局に17年間在局し、郵便・貯金・保険業務を経験。うち10年間は保険業務に携わる。その後、その間にAFP、2級FP技能士資格を取得し、2006年より三井住友海上きらめき生命でファイナンシャルコンサルタントとして勤務。現在、ファインシャルプランナーとして独立し活躍中。保険の見直しを得意とする。
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