合格者ランキングの下剋上が埼玉県でも-東大合格者ランキング発表 (2016/3/17 クオリティ埼玉)
今春の東京大学の合格者ランキングが発表され、その結果が県内で衝撃を生んでいる。なんと、栄東高校が県立浦和高校を合格者数で抜き、埼玉県トップに躍り出たのだ。
埼玉県内高校順位
1位 | 栄東 | 27人 |
---|---|---|
2位 | 県立浦和 | 22人 |
3位 | 開智 | 7人 |
4位 | 県立大宮 | 13人 |
5位 | 県立川越 | 6人 |
本年から東京大学では後期日程が廃止され推薦入試が導入されたものの、傾向として中高一貫校の強さは変わらず、本県でもその影響を受けた結果といえる。
栄東と浦高の比較をもう少し深堀してみる。
卒業生 | 合格者 | うち現役 | 合格率 | 現役合格率 | |
---|---|---|---|---|---|
栄東 | 512 | 27 | 17 | 5.3% | 3.3% |
浦高 | 400 | 22 | 4 | 5.5% | 1% |
合格者数で抜かれたというものの、合格率でみるとほぼ互角。ただ、現役合格ということでいうと圧倒的に栄東の勝ちだ。栄東には中学受験段階で「東大選抜クラス」を特別に募集しており、入試の難易度も高い。今年の実績も中高一貫のカリキュラムで学力を伸ばしたこのコースの生徒達による実績ではないだろうか。浦高も中高一貫校に対する危機感は持っており、小学生の保護者対象の学校説明会を4年前から行っているものの、今年については東京をはじめとする他の首都圏の都県と同じように中高一貫校に後塵を拝したということだ。
中高一貫校に対して、首都圏の公立高校もただ手をこまねいているわけではないようだ。例えば県立千葉高校は付属中学を設置している。また一度は凋落したものの、現在公立高校における合格者数トップに返り咲いた都立日比谷高校は、3年間で学力を引き上げるために精鋭の教師陣を集め、そのためのノウハウを構築していった。たしかに高校教育は進学だけではないが、浦高のブランドはその進学実績に負うところが大きいのが事実だ。来春以降の巻き返しが注目だ。
河戸 侑民
提供:クオリティ埼玉