市議のTwitterが炎上!同性愛者に対する発言の裏に隠れた真意 (2015/12/15 JIJICO)
男性市議のTwitterで同性愛者に対しての発言が問題に
SNSにおける「炎上」という言葉も、すっかり定着した感があります。そんな「炎上」に該当する騒動として、先日の神奈川県海老名市議の鶴指眞澄氏の発言が挙げられます。鶴指氏は最近のマスコミ報道が倫理観に欠けていると批判し、同性愛というものに対して「異常人間」や「異常動物」だという言葉で否定しました。
並びに、もっと「まじめ」な人間を褒める方法を考えるよう、マスコミに叱咤するような文章もありました。その後、鶴指氏は「不適切な表現だった」「酒に酔っていた」と謝罪し、当該ツイートを削除しています。
この発言に対して、脳科学者の茂木健一郎さんはFacebook上で以下のように投稿しました。「同性愛という別の生き方を選択することになぜ干渉しようとするのか?自分の中に、共鳴する何かがあるからではないだろうか。一般に、自分が嫌いな人は、自分の内側の何かを触発する要素を持っていることが多い。嫌いは、無関心よりも、相手に近い」
発言の中に隠れた真意
上述した茂木さんの発言を分かりやすく例えれば、甘いものが好きな兄弟に対して母親が日頃から「チョコレートを食べちゃダメだよ」と言っていたとします。それでも、兄がチョコレートを食べてしまった場合、それを発見した弟はきっとこう言うでしょう。「あー、悪いんだ!お母さんチョコレート食べちゃダメって言ってたじゃん!」と。もし、弟がチョコレートに対して全く関心がないのであれば、こうした反応は示しません。茂木さんの発言も、鶴指議員が本当は同性愛に関心があると言っていることになります。
鶴指議員は以前、小保方氏の事件の際に理研へ対して「女性をなぜ、リーダーにするのか!?」と発言していましたが、今回の件も合わせて考えると、自分ももっとリーダーとして活躍したい、承認されたいという欲求が感じられます。同性愛という生き方に干渉するのは、もっと自分も自由に表現したいとか、何かしら羨ましく感じることがあるからなのかもしれません。
ネガティブな騒動を教訓として
筆者が今回の件で感じたことや気付いたことは、単に同性愛というものに対してのみではなく、「便利さの中にあるSNSでの公的な発言の危うさ」「LGBTという生き方への理解」「羨ましさは時として、怒りになる」「多くの人の上に立つ人は、多くの人のことを理解できる人であってほしい」ということです。
私たちは互いに異なりながらも、その違いには敏感に反応します。今回のことも誰がどうだと騒ぐことは簡単ですが、非常にもったいないことです。その中から、自分の中に生きる気付きを得られたならば、ネガティブな騒動も前に進む力になるのではないでしょうか。
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