生徒会選挙でインターネット投票体験、つくば市では公職選挙での実現目指す (2021/7/13 政治山)
7月7日、茨城県立並木中等教育学校(つくば市)の生徒会役員選挙において、インターネット投票が行われました。同校は中高一貫校で、全生徒約900人のうち、高校1年生に当たる4年生160人を対象に実施されました。他の学年の生徒は従来通り投票用紙を用いた投票を行い、その結果は9日に校内で公表されました。
今回のネット投票は並木中等教育学校とつくば市が主催、オンライン投票システムを開発する株式会社VOTE FORとデジタルIDアプリを提供するxID株式会社が協力して投票システムを構築し、投票に先立って行われた主権者教育や投票システムを支える最新技術に関する特別授業には文部科学省や株式会社LayerX、KDDI株式会社が協力しました。
今回の投票システムでは、学校から生徒一人に一つ配布されているメールアドレスを元にデジタルIDを発行、投票時にID認証することで、なりすましや重複投票などの不正投票を防ぎました。
実際にネット投票を行った生徒からは、「投票は2、3分で完了した。実際の選挙でもネット投票したい」「投票所が遠い人や足腰の悪い人、お年寄りにも便利だと思う」といった声が聞かれました。
また、開票作業を行う選挙管理委員の担当者には、事前に専用の管理画面が用意され、IDとパスワードを入力して集計結果を確認し、紙の集計結果との合算を行いました。担当した生徒からは「紙と違って一瞬で集計できるのは効率的」「記入内容が分かりにくいなど曖昧な投票がないのが良い」といった声が聞かれました。
つくば市では、2018年から2020年の3カ年にわたってインターネット投票の実証実験を実施しており、スーパーシティやスマートシティの取り組みの一環として、公職選挙におけるインターネット投票の実現を目指しています。
■マイナンバーカード×ブロックチェーン、国内初のネット投票システムの実証がつくば市で始まる
公職選挙におけるインターネット投票について、政府は2022年参議院議員選挙の在外選挙(日本国外に住む有権者の投票)からの導入を目指して実証を行っています。マイナンバーカードの国外利用に関する法整備や諸外国の事情に応じた準備など課題は山積していますが、国と地方双方で、投票機会の平等を実現するための取り組みが続いています。
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