小泉進次郎氏も疑問、衆院解散でなぜ万歳? (2017/9/28 政治山)
安倍晋三首相は28日午後、衆議院を解散しました。12時過ぎに始まった本会議で、大島理森議長が解散詔書を朗読し、衆議院の解散を宣言。恒例の万歳三唱が行われました。どういうときに解散し、解散の手続きはどのように行うのでしょう。
「解散」とは、議会を閉鎖して議員資格を失わせることです。衆議院議員全員が4年の任期とは無関係に、議員でなくなります。解散は衆議院でのみ行われ、参議院には解散はありません。衆議院が解散するのは、(1)内閣不信任決議案が可決されて総辞職をしないとき、(2)緊急に国民の意思を問う必要が生じた時の2つです*。
解散は天皇の国事行為の1つで、内閣の助言と承認のもとに行うことを憲法で定めています。解散当日の閣議で全会一致により解散が決定され、解散詔書に天皇が署名します。その後、衆議院本会議が開かれ、官房長官が「紫のふくさ」に包まれた解散詔書を議場に運びます。「紫のふくさ」が衆議院議長の手に渡ると、議長は直ちに「日本国憲法7条により衆議院を解散する」と天皇に代わって朗読します。そこで衆議院が解散され、議員全員が失職することとなります。
その際には、多くの議員が立ち上がって「ばんざい」と叫ぶのが慣例です。「ばんざい」の由来についての統一された見解はないようです。「解散詔書に象徴される天皇に対して万歳をしている」「選挙に向けて、お互いの健闘を称え合っている」「万歳をすると縁起がいい」など、さまざまな説があります。
今回の解散で万歳をしなかった自民党の小泉進次郎議員は、本会議後の取材に対して「分かりませんよね。だからしないんです。なぜするのか分からないからです」と答えています。
(*)憲法上の「解散」規定は、第69条の「内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、または信任の決議案を否決したときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない」のみです。憲法が採用している議員内閣制を背景とする権力分立の構造から、69条解散のほかに、内閣には解散権があると解釈されています。
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