富山に地域政党、子育てと教育に取り組む市議らが政策チーム「光」設立 (2016/11/17 政治山)
17日、富山市議会議員2人と富山県議会議員1人からなる政治団体、子育て・教育の政策チーム「光」が設立されました。代表は上野蛍富山市議(32歳)。政務調査会長を島隆之同市議(54歳)、幹事長を笠井和広富山県議(55歳)が務めます。
政務活動費の不正から12人が辞職し、今月6日には13議席を25人で争うという前代未聞の補欠選挙が行われたばかりの富山市議会ですが、その翌々日にはさらに別の市議が辞職するなど混迷を極めています。
市民の不満も高まる中、不正に対する憤りから補欠選挙に立候補し当選した上野蛍市議は2人の子どもの母親としても奮闘中。前回(2013年)の市議選で惜敗した島隆之市議は学童教室を運営する元教師。議会内で会派を構成する2人には、上野市議が中学生当時に所属していた剣道部の顧問が島市議であったというエピソードも。
2人の市議が取り組むテーマは「子育て」と「教育」。県教育員会との連携も欠かせないことから、青少年育成に長年携わり富山市議としての経験も持つ笠井和広県議とタッグを組んで政策チーム「光」を設立、市政と県政の刷新に立ち上がりました。
取材に応じた笠井県議は「これまで政治にかかわったことのない2児のママ、それに漁師のオヤジとおでん屋のおやじ。何のしがらみもない一般市民の3人が立ち上げた地域政党です。市民目線で突っ走ることのできる唯一の政党だと思います。5カ月で何ができるのか、という人もいるかもしれませんが、この5カ月は来年4月までの猶予期間ではありません。当選した議員が、任期中に職務を全うするのは当然のこと。今後の活動に注目してほしい」と述べました。
現在の市議会議員の任期は2017年4月まで。コンパクトシティ、環境モデル都市として名を馳せた富山市の新たな光となることができるのでしょうか。
政策チーム「光」の概要は以下の通り。
【設立目的】
富山を「子育て支援」「教育」で日本一の自治体にする。
【富山の子育て・教育の改革10政策】
- 学童教室の根本的転換。学習習慣や生活習慣を身につける「富山型学童教室」の推進。
- 学校給食を、アレルギー対応、地産地消、温かい、手作りという視点で改善。
- 障がい児、発達障がいの子どもの支援策を子どもと親の現状に合わせた柔軟な運用に転換。
- 0歳~2歳児の保育、病児保育を推進し、働くママ支援の充実。
- フレックスタイム、短時間勤務の推進等で、働く子育て世代の環境整備。
- 子どもの貧困など相談できるスクールソーシャルワーカーの充実。ネットやSNSでも相談窓口を設置。
- 不要になった子ども服、おもちゃ、チャイルドシートなどの無料リサイクルの推進。
- 給付型奨学金、返済補助も含めて、裕福でない家庭の子どもも大学などへ行ける環境整備。
- 土曜保育のメニュー改善、認定こども園の推進を含む保育事業の支援。
- 各公立小中学校への空調設備の早期設置。
【議会改革】
- 旧態依然とした悪しき慣習の打破へ向けた取り組み
- チーム「光」は政務活動費をすべてインターネットで開示します。
- 政治活動費の制度を改革(例、使用範囲の見直し、領収書による事後払い)。
- 少数会派の意見を尊重する議会への改革。
- 県議会、市議会の透明化へ、本会議だけでなく委員会もネット中継。
◇ ◇
<取材>市ノ澤 充
株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー シニアマネジャー
政策シンクタンク、国会議員秘書、選挙コンサルを経て、2011年株式会社パイプドビッツ入社。政治と選挙のプラットフォーム「政治山」の運営に携わるとともにネット選挙やネット投票の研究を行う。
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