猫も選挙?参院選で話題となった個性派ポスター (2016/7/15 政治山)
以前、政治山調査で「投票に行く人の3人に1人が選挙ポスターを重視」という結果が出たように、ふだん政治との関わりがさほど強くない一般の有権者にとって、ポスターの影響力は小さくないようです。
昨春の統一地方選では、候補者が全裸で写っている選挙ポスターが話題になりました。下半身部分は自身の氏名でカバーされていたため法的な問題はなく、強烈な印象を残しました。
白い猫が候補者に!?
今回の参院選でも、ユニークな選挙ポスターが散見されました。おおさか維新から比例代表で立候補した元衆院議員の島聡氏の選挙ポスターは、自身の顔写真よりも白い猫が大きく、「どっちが候補者か分からない」とツイッター上で話題を呼びました。
島氏は過去にソフトバンク株式会社の社長室長だったことから、同社のCMで有名な白戸家(ホワイトけ)の“お父さん犬”をモチーフにしたようです。選挙権年齢の引き下げもあり、若者にアピールする狙いがあったと情報サイト「恋愛jp」で明らかにしています。話題作りには成功したものの、衆院議員時代から10年以上のブランクもあり、当選には至りませんでした。
6年前にも“お父さん犬”登場
実は“お父さん犬”をモチーフにした選挙ポスターは6年前、社民党の吉田忠智氏も使用し、初の国政選挙で知名度アップのために「ただともの輪」というキャッチフレーズを使って白い犬との2ショットポスターを作成し、人気のCMと自らの名前を掛け合わせた遊び心で当選を果たしました。
今回は党首として、社民党そのもののPRにも奔走しましたが、知名度がいま一つ浸透しなかったこともあり、落選となりました。選挙期間中、自身のツイッターで再び“共演”を果たしています。
候補者の写真なし、支持政党もなし
政治団体「支持政党なし」は、東京都選挙区に4人の候補を送り、掲示板に4枚同じポスターを並べました。写真を使わず、「政策一切なし」と言い切るインパクトの強さで知名度の拡大に努め、比例票では64万票余を集めましたが、あと一歩及びませんでした。
この他にも、政治山の記事「別人?選挙ポスター修正どこまで許される?」でも記したように、過剰な写真修正により「もはや別人レベル」とツイッターで拡散されたポスターもあり、いま一つ盛り上がりに欠けた参院選の中で、貴重な話題の一つとなりました。
- <著者> 上村 吉弘(うえむら よしひろ)
株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー 編集・ライター
1972年生まれ。読売新聞記者、国会議員公設秘書の経験を活かし、永田町の実態を伝えるとともに、政治への関心を高める活動を行っている。
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