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学生発・キャンパス投票所ができるまで (2015/4/2 学生団体CreateFuture山梨代表 齋藤浩平)

関連ワード : 学生 山梨 期日前投票 統一地方選 

 このコラムの読者の皆さんは、松山大学で期日前投票所が設置され20代前半の投票率が2.72%上がったことをご存知でしょうか。私がこの数字を知ったのは、昨年のマニフェスト大賞授賞式の時でした。そしてぜひ、私の通う山梨大学でも期日前投票所を設置したいと考え、青森中央学院大学の佐藤淳先生の後押しもいただきながら活動を開始しました。

マニフェスト大賞受賞式

学生団体CreateFuture山梨 メンバー(2014年11月14日マニフェスト大賞受賞式で)

市選管、大学、学生を巻き込んで協議

 設置に向けて、まず山梨県選管に相談に伺い、窓口である甲府市の選管の担当者を紹介していただきました。翌日、甲府市の選管の方にお目にかかり、「山梨大学に期日前投票所を設けたい」旨の話をしましたが、市選管からは「二重投票の危険性や人件費、時間的な都合から4月の統一地方選には難しい」との見解が示されました。

 選管からの説明を理解しつつも、私はどうしても投票所設置を諦めることができず、少し趣向を変えて「共同の啓発活動をしてみませんか」と持ちかけてみました。すると数日後、甲府市選管から「学生のデータと大学の承認があれば、4月にも投票所を設置ができるかもしれない」との連絡があり、私は急いで学生200人にアンケートをとり、「期日前投票所を大学に設置すると、何人が利用し、何%の投票率の上昇が見込めるか」を精査し、大学理事と市選管の事務局に設置を打診しました。

 そして今年の2月初旬、大学・市選管・学生の三者で設置に向けた協議が行われ、その様子は翌日の地元紙の社会面にも報じられました。この協議の2週間後、大学から設置場所の候補地が示され、その後は市選管と大学との間で日時・場所についての話し合いが何度か行われ、3月3日、晴れて市選管から正式な「設置決定」が発表されました。

(左)山梨大学 期日前投票所のフライヤー、(右)選管と一緒に作ったクリアファイル

(左)山梨大学 期日前投票所のフライヤー、(右)選管と一緒に作ったクリアファイル

問題意識の共有と目的の明確化

 こうした設置までの活動の中で、私が最も重視した事が2点ありました。

 第1に、甲府市選管と問題意識の共有を図る、ということです。市選管も「若い人の投票率を上げたい」という思いを持っており、共同の啓発活動を通じ、その思いを学生と共有できたことが交渉を進める上でとても大切だったと思います。

 第2に、大学に投票所を設置する「目的」を明確にしたことです。具体的には、2016年の参議院選挙で10代、20代の投票率50%を目標とする「3本の矢構想」というものを作りました。「3本の矢」とは、「大学投票所」「一人暮らしの新入生への住民票移行キャンペーン」「18歳投票権」であり、その矢を、私たち有志の啓発団体が放ちます。

3本の矢構想

若者と政治、若者と社会をつなぎたい

 最後に、なぜ、私がここまで動くことができたのか。それは、一言でいえば「政治は難しい、選挙(投票)にはいかない」という学生が「普通」になっていることに危機感を感じているからです。

 私は東日本大震災以降、日本の社会問題について自分がどう関わっていくべきで、どう関わることができるのか、真剣に悩み、考えるようになりました。そして、大学3年の時に国会議員秘書インターンシップに参加し、昼夜を問わず社会のために汗をかく政治家を間近で目にする中で、「若者と政治、若者と社会が離れすぎている」ということを感じました。その問題意識から2013年9月に「学生団体CreateFuture山梨」を仲間とともに立ち上げ、週に一度、昼休みに学食でニュースを話す企画などを行っています。

学生団体CreateFuture山梨の活動の様子

学生団体CreateFuture山梨の活動の様子(左)昼飯の企画、(右)成人式での啓発

 この活動から一定の成果が得られましたが、声の届く範囲は限られていました。そして、「どうすればもっと社会や選挙に関心を持つ学生を増やすことができるのだろうか」「もっと、他のやり方もあるのではないか」、そう悩んでいる時に、この松山大学での期日前投票所の話に出会ったのです。

 学内期日前投票所は、ただ設置するだけでは全く効果がありません。3本の矢構想をはじめ、学生が学生に啓発し、社会や選挙に関心のある学生が「かっこいい」という雰囲気を作ることを目指して、今後も頑張り続けたいと思っています。皆さんにおかれてはぜひ、今後の山梨県での選挙啓発、そしてCreateFuture山梨の活動にご注目いただければ幸いです。

学生団体CreateFuture山梨 メンバーでの集合写真

学生団体CreateFuture山梨 メンバーでの集合写真

齋藤浩平著者プロフィール
齋藤浩平(さいとう こうへい)
山梨大学大学院 教育学研究科 修士1年 22歳
学生団体CreateFuture山梨 代表
NPO法人大学コンソーシアムやまなし 山梨県学生交流事業認定
第9回 マニフェスト大賞 優秀マニフェスト賞(市民)
平成26年度 総務省主催 明るい選挙優良活動賞
平成26年度 山梨大学学生表彰(社会貢献部門)
Create Future 山梨 facebookページ
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