銚子市74人の住民と事業仕分け、公共施設管理の課題が浮き彫りに (2014/10/3 政治山)
銚子市は9月27日(土)、28日(日)に2度目となる「事業仕分け」を実施し、無作為抽出で選ばれた住民延べ74人とともに2班体制で26事業を仕分けた。
各班のコーディネーターは閉会式で次のように語った。
第1会場 担当・石井聡氏(逗子市職員)
「高額な契約で本来は入札で行うべきものが何らかの理由で入札されていない、競争性が働くような工夫がされずに過去の事業者と契約を続けているという契約のあり方についての課題が、いくつかの事業で共通して見られた。こうした契約のあり方は各課で考えることも必要だが、銚子市全体でも見直しが必要。
また事業の対象が明確でないものも散見された。事業を実施する上で知っておかねばならない対象者や対象物の現状についての把握が甘かった。そのため、自らが主体的に課題を発見して、その解決のために事業を組み立てるのではなく、市民や団体からの要望に対して受身になってしまっていないかという点が危惧された。要望に応えることは大事だが、それだけになってしまうと、本来は全体を見なければいけないにもかかわらず、どうしても声の大きな方に動いていってしまうということにもなりかねないので注意が必要」
第2会場 担当・伊藤伸氏(構想日本総括ディレクター)
「第2会場は2日間にわたって公共施設に特化した仕分けを行った。銚子市内に223施設あるうちの34施設について議論した。銚子市は来年度に公共施設総合管理計画を作り全体的な見直しを行うが、今回の議論はその重要な材料になった。
維持管理や運営を市の職員が行っている直営方式の施設が多く、34施設の管理運営に39人の市職員が携わっていた。市民サービスの質を高めるにあたっては、指定管理者制度の導入など民間の活用は全国的にも効果がみられている。早急の検討が必要との議論が多く出ていた。
併せて、和室と調理実習室がそれぞれ34施設で10部屋ほどあった。それぞれの施設の設置目的に応じて和室や調理実習室にも目的を持たせていたのだが、利用者からすると近いところや空きがあるところを使っているというのが実態ではないか。公共施設全体の中で本当に必要な和室や調理実習室の数を考えていく必要がある。
また、施設が全体的にとても古い。修繕もあまりされていない。古いからなかなか使われない、だから修繕もあまりされない、という悪循環になってしまっているのではないかという議論があった。ある施設をなくそうということになると「なくされては困る」という意見は必ず出てくると思うが、施設を集約することで修繕も行え、利便性も上がる可能性がある。そうした観点で、施設全体を見直していただきたい」
評価結果は次の通り。
不要・凍結‥‥‥‥ 0件
国・県・広域‥‥‥ 0件
銚子市要改善‥‥‥24件
銚子市現行どおり‥ 2件
- 関連リンク
- 銚子市「事業仕分け」の詳細はこちら(銚子市ホームページ)
- Ustreamのアーカイブはこちらから
- 第1会場 /第2会場
- 関連記事
- 銚子市で財政健全化に向けた「事業仕分け」を27、28日に開催(2014/9/25)
- 216人の県民が静岡県の事業効果を判断、2800人が傾聴(2014/9/11)
- 静岡県で県民直接参加型の「事業レビュー」を6、7日に開催(2014/9/4)
- 公共施設の維持・管理・更新。みなさんの街は今後どうしていきますか?(2014/4/16)