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[用語解説]住民投票

住民投票の不成立は首長や議員への「信任」なのか (2014/9/2 政治山)

関連ワード : 三重 伊賀市 住民投票 用語解説 

 市庁舎の移転の是非に関する三重県伊賀市の住民投票が8月24日に実施されましたが、投票率が42.51%と条例が定める開票要件の50%に至りませんでした。その結果、住民投票の結果は開示されないまま、移転の是非は市民による直接投票ではなく、議会による間接代表制に委ねられることとなりました。

住民投票には、憲法・地方自治法・条例に基づく3種類ある

 首長選挙や住民投票による直接民主制と議会議員選挙による間接民主制、この2つは地方自治を支える相互補完的な役割を果たす仕組みです。住民投票には大きく分けて3種類あり、憲法に基づく住民投票、地方自治法等の法律に基づく住民投票、条例に基づく住民投票が存在しています。

 憲法95条に規定された住民投票は過去60年以上行われておらず、わずかな事例しか存在していないため、一般的に私たちが目にする住民投票は他の2者ということになります。なお、憲法96条で定められた憲法改正に当たっての国民投票とは異なります。

首長や議会へのチェックは、4年に一度の選挙だけではない

 地方自治法による住民投票は、議会の解散、首長・議員の解職など、住民が選んだ議会や首長などが機能不全に陥っていると住民が判断した場合にいったん仕切り直しを求める内容が中心となっています。

 条例に基づく住民投票は、一定の要件を満たした場合に住民投票が実施される常設型の住民投票条例、個別案件ごとに設定される住民投票条例によって実施されます。住民投票条例はその発意が首長、議会議員、住民によって行われる形でスタートし、議会による審議を経て投票内容が決定されることとなります。住民投票の開票結果が議会の議決を拘束するかどうかは条例内容によって異なるものの、一般的には住民の意思を尊重すると規定されていることが多い状況です。

 一概に住民投票といっても実は様々な種類が存在しています。今後ますます地方自治の重要性が増していく中で、各地方自治体ならびに地域住民は意見表明や意思決定の手段の一つとして、住民投票への理解を深めることが望まれます。

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